「お餅」と「餡(あん)」のベストコンビ、寒い日は無性に食べたくなりませんか?
この食べ物は「ぜんざい」または「おしるこ」と言われます。それぞれ呼び方は、関東と関西とで異なるようです。
いったいなにがどう違うのでしょうか?詳しくご紹介していきたいと思います。
「ぜんざい」と「おしるこ」の違いは?
関東では、汁気がないあんこにお餅や白玉に添えるものを「ぜんざい」、汁気があるあんこにお餅を入れたものを「おしるこ」と呼んでいます。
つぶあんか、こしあんかは関係なく「おしるこ」で、つぶあんのものを「田舎しるこ」、こしあんのものを「御膳しるこ」と呼びます。
一方、関西では、つぶあんのものを「ぜんざい」、こしあんのものを「おしるこ」と呼び、どちらも汁気があるものをいいます。
つまり、関東の「田舎しるこ」は関西の「ぜんざい」、関東の「御膳しるこ」は関西の「おしるこ」です。
なぜ地域で呼び方が違うのか。呼び方が分かれた経緯を示す文献は見つかっていないようですが、関西から江戸に広がった食べ物であると考えられ、関西のぜんざいとおしるこの違いが正しく伝わらなかったという説があります。
「ぜんざい」と「おしるこ」栄養価に違いはあるの?
あんこの原料である小豆には、代謝に関わるビタミンB1やビタミンB2が豊富に含まれ、腸内環境を整える働きもあります。
また血液をきれいにするのに働く食物繊維や、余計な水分や塩分を身体の外に出すカリウムが豊富です。これらは全て水に溶ける性質があるため、煮汁ごと食べるおしるこ、ぜんざいは身体にうれしい食べ物です。
つぶあんかこしあんか、汁気があるかないか、これらによる栄養価の違いはほとんどありません。
つぶあんの方が食物繊維は多いと思われがちですが、小豆は水溶性食物繊維が多く、皮だけではなく身の部分にも豊富に含まれているのです。
ただし、ビタミンCやカルシウムは摂ることができません。そこで、栄養価アップのおすすめレシピご紹介しましょう。
さつまいもしるこ(ぜんざい)
ビタミンCが豊富なさつまいも50gを柔らかく煮て、レンジで柔らかくしたお餅と牛乳大さじ2と合わせてよく混ぜてさつまいも餅を作ります。
あとの作り方はおしるこやぜんざいと同じです。ぜひ試してみてください。
気を付けたいのが甘味と食べる量です。
甘さは好みがありますが、市販の甘味が付いているあんこは小豆と同量、またはそれ以上の砂糖を使い、一人分で約20g、スティックシュガー7本分にもなります。それにお餅を合わせると、糖質の量が多くなるのは言うまでもありません。
1人前でおおよそ200~300Kcal、ご飯1杯分です。
適度な甘味と柔らかなお餅は、ついペロリと食べてしまいますが、朝ごはんやおやつに食べるのがベストタイミング。おやつの場合は夕食の量で調節すれば、体重を気にする方でもうまく取り入れられるでしょう。
呼び名は地域の違いが大きいですが、それだけでなく、甘いか甘くないか、丸餅か角餅か、お餅を焼くか煮るか、温かいか冷たいか、など「ぜんざい」「おしるこ」のお店・家庭による違いは多様化しています。
呼び名はもちろん、様々な形を試してみるのも楽しいですね。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
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