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栃木強盗殺人事件の実行犯はたった16歳。現役探偵が暴く「闇バイト最新手口」と、誰でも狙われる「マーキング」の恐怖

5月14日、栃木県上三川町で発生した一家強盗殺人事件。実行犯の一人が16歳だったことが社会に大きな衝撃を与えました。背後にあるのは、「トクリュウ」と呼ばれる匿名・流動型犯罪グループが若者を巧みに巻き込む「闇バイト」の存在です。今回、メルマガ『阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」』では、現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、闇バイトに引っかからないための「3つの防衛フィルター」と、犯罪者が下見で残す「マーキング」の見破り方を、超実践的に解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

安全神話はもはや無い、我が子、我が家、実家を守る基本的対策

5月14日、栃木県上三川町で農業法人を経営する一家の住宅に複数人が押し入り、富山英子さん(69)が殺害された強盗殺人事件。

いわゆるトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)による事件は未だに社会にセンセーショナルな衝撃を与えている。

報道番組や新聞では、このような残忍な犯罪の解説やどうやったら防げるか?的なもの、新事実などのニュースが目立つが、今回は、視点を少し変えて論じてみたい。

Geminiに作ってもらったイラスト


闇バイトを見抜く「3つの防衛フィルター」

近年、強盗や特殊詐欺の「実行役」として、一般の若者や主婦、会社員が逮捕される事件が相次いでいる。栃木の事件も実行犯は16歳であった。

どうやら、指示役の知り合いに実行犯の一人がいて、その他を誘ったようだが、他の事件では、彼らの多くは「高額バイトだと思った」「まさか強盗に加担させられるとは思わなかった」と口をそろえる。

犯罪グループは言葉巧みにターゲットを罠にハメ、一度応募すると「家族に危害を加える」と脅して抜け出せなくするのだ。

第一として、闇バイトに引っかからないための「実効性の高い見極め方法」がある。

犯罪グループは求人媒体やSNS(X、Instagramなど)で「ホワイト案件」「即日即金」「誰でもできる簡単な仕事」といった甘い言葉で募集をかけてくる。以下のいずれか1つでも当てはまれば、100%「闇バイト(犯罪)」である。

連絡手段に「シグナル(Signal)」や「テレグラム(Telegram)」を指定される

通常の企業や信頼できるアルバイト募集で、これらのアプリが初期連絡に使われることは絶対にない。そもそも、なぜこれを使うのか考えれば、それは、メッセージが自動消去され、警察の捜査から逃れるためだ。実際はかなり復活できるようだが、SNSやLINEでの応募後、「詳細はSignalで」「別のアプリを入れてください」と言われた時点で、即ブロックして連絡を絶つのがよい。

仕事内容が「曖昧」または「不自然」

「指定の場所で荷物を受け取るだけ」「スマホを契約して郵送するだけ」「指定されたマンションの部屋に入るだけ」といった、スキルを必要としない高額な仕事は存在するはずがない。これらはすべて「受け子(特殊詐欺の現金受け取り)」「出し子(ATM引き出し)」「闇バイト強盗の事前調査・実行」の役割だ。言われた通りにやっただけでは通じない。

そもそも「楽に、短時間で、大金が稼げる」仕事は、自分の身柄と引き換えの犯罪行為だと脳内変換するのがいいだろう。世の中そんなに甘くはないのだ。

正式な面接の前に「身分証の自撮り(セルフィー)」を求められる

「本人確認のため」「逃亡防止(彼らはそう言いませんが)」として、身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、学生証など)を顔の横に掲げた写真を送るよう要求してくる。一般企業では、まずこんなことはしない。犯罪組織が、なぜこのようなことをするのかと言えば、これが彼らの「人質(脅しの材料)」になるからだ。一度送ると、「家族の住所が分かっている」「断ったら実家にヤクザを送り込む」という脅しに使われ、逮捕されるまで犯罪を続けさせられるわけだ。絶対に身分証の写真を送信してはいけない。

そもそも、企業としては、まだ雇ってもいない、労働契約を交わしていない相手の身分証など、個人情報そのものを持つのは嫌なはずだ。仮に漏えいでもしたら、とんでもないことになる。だから、普通は求められるはずがないと覚えておくとよいだろう。

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引っかかってしまったら迷わず警察へ

もし、「怪しいとは知らずに身分証の写真を送ってしまった」「もう闇バイトの連絡を取ってしまい、脅されている」という状態になった場合、自力での解決や交渉は100%不可能だ。 交渉をしても脅されるだけ、リスクしかないわけだ。であれば、速攻で対策する術は1つしかない。

迷わず「警察相談専用電話 #9110」または「110番」へ通報することだ。

「警察に言ったら自分も逮捕される」「大ごとにしたくない」と躊躇している時間が一番危険だ。

・警察の公式方針:現在、警察庁および都道府県警察は「勇気をもって警察に相談すれば、本人や家族を確実に保護する」と明言している。

基本アクション

1.これ以上、犯罪グループからのメッセージに返信しない。

 

2.すぐに最寄りの警察署に駆け込むか、電話で「#9110」をダイヤルし、「闇バイトに応募してしまい、脅されている」と伝えてください。

 

3.やり取りのスクリーンショットは消さずに、証拠として警察に見せてください。

学校や情報番組など、社会全体で撲滅へ動く

上のような対策対応マニュアルや具体的な事件の解説を学校で教えるという方法もある。管轄の警察署に講演をしてもらうでも良いだろう。

TV局などが積極的に見抜き方を報じたりするのも社会的な取り組みとしては効果が高いだろうし、最近の若者はTVを見ない層も多いから、動画サイトでこうした見抜き方やヤバいと思ったらの対抗策をインフルエンサーが積極的に取り上げるのも効果的だと言えるのではないか。政府や警察がこういう情報拡散をインフルエンサーに依頼するのもよいのではないだろうか。

次に、普通に生活していて、やはり気になるというのは、自分の家や実家が狙われやしないかということだろう。

自宅を守る基本の防犯対策

物価高ではあるが、技術の進歩で防犯カメラもずいぶん手ごろになってきている。例えば、インターネット回線が整備されていれば、wifiを繋げることができるようにしておけば、簡単な電源工事だけで、有線で防犯カメラを繋げなくても、wifiの無線で繋げた屋外用の防犯カメラや屋内の防犯カメラを複数台運用することも可能だ。

それも、1万円以内で収めることすらできる。

また、「警察官立ち寄り所」のステッカーは通販サイトで買うことができるし、「不審者見つけ次第すぐ通報」などと書かれたステッカーも千円以内で買うことができる。

こうした知識は、ネット上に有用なサイトが多数あるので、参考にしてみるといいだろう。

一方で、防犯カメラがついていても構わず暴漢が襲ってきたらどうするのだという人もいるだろう。それもそうなのだ。実際の事件を見ていると、構わずガラスを割って室内に入ってきたりするのだ。

ただし、ここでその前に考えて欲しいことがある。それはマーキングだ。

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犯罪者の下見「マーキング」を見破る

トクリュウにしろ、空き巣にしろ、こうした犯罪では、ほぼ必ずと言っていいほど、下見をしているのだ。

そして、下見の代表的な方法がマーキングだ。

1. マーキングがされやすい「5大スポット」

マーキングは、住人が普段じっくり見ないものの、犯行グループにとっては「郵便配達や点検を装って自然に近づける場所」に施される。

Geminiに作ってもらったイラスト

①郵便ポスト(最頻出):敷地外から怪しまれずに触れるため、最も狙われる。(側面や底面、フタの裏側など)。
②インターホン:住人は「ボタン」以外触らないため、側面や底面のサイン。
③表札:隅っこや裏側に極小のシールや傷。
④ガスメーター・電気メーター・屋外配管:検針員を装って近づけるため、最も大胆な文字が書かれやすい場所。
⑤玄関ドアの枠・上部:ドアホンの死角になる上部の隙間などに、チョークやペンで書かれることがある。

2. マーキングの種類と「暗号の意味」

使われるマーキングは、一見すると「ただの汚れ」「子供のいたずら書き」に見えるよう擬態されているが、アルファベットや数字、日本語を組み合わせて「在宅パターン」や「ターゲットの属性」を表現しているのだ。

例えば、代表的なものになるが、下図で表示してみよう。

基本マーキング解読表_阿部作

こうして隠語的な情報は、さらに下記のような使われ方をする。

「MF20-6」と書かれていれば、「男性あり」「家族で暮らす」「20時から6時が就寝などねらい目」という意味になる。

他にも、玄関の枠にテープが貼ってあったり(出入りがあるかをチェックしている)、敷地にゴミを置く(防犯対策をしているか)など、ことマーキングと言っても、様々な手法がある。

見つけたらどうするか?

見つけたらどうするか、迷わず消す、掃除をするのが正解だ。ケースによっては以前の住人に対して行われたものもあるだろうが、侵入者にとって、それは関係が無いことだから、不意に侵入者と出くわす可能性すらある。相手は犯罪者である。間違っても話せばわかるとは思わないことだーーー(『伝説の探偵』2026年5月23日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方はぜひご登録ください。初月無料でお読みいただけます)

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image by: 『伝説の探偵

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社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

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