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【書評】仮想通貨を通して知る、オヤジ世代が若者を奇異に思う訳

すべてが目まぐるしいスピードで進化する現代社会。世代間の価値観の相違もこれまで以上に大きなものとなっているようです。今回の無料メルマガ『おやじのための自炊講座』の著者・ジミヘンさんが取り上げているのは、気鋭の若手会社経営者である佐藤航陽氏が著した一冊。ジミヘンさんが「理解することが難しい」と言う、本書に記されている「価値主義」とは?

お金2.0 新しい経済のルールと生き方
佐藤航陽・著 幻冬舎

皆さん、お元気ですか。ジミヘンです。

誰もがスマホを持ち、常時インターネットにつながっている時代を迎え、大きな変化が迫っているような気がする。一つはメディアやコミュニケーションの変化、一つはシェアリング経済、そしてもう一つは「仮想通貨」などの不可解な世界。

書店でふと手にした本をパラパラとめくる。ひょっとしたら、「仮想通貨」のことやこれからの経済のヒントが見つかるかもしれない。タイトルは『お金2.0~新しい経済のルールと生き方』。著者は、1986年生まれの若い起業家・佐藤航陽氏である。彼は、まえがきで言う。「資本主義はベストではないがベターではあると考えられてきましたが、現在はそれより良い仕組みが実現できる可能性が出てきています。価値主義は一つの可能性として、目の前で起きている事例を踏まえながら説明していきます」

10年程前、梅田望夫氏が著した『ウェブ進化論』を興奮しながら読んだ。それは、インターネットの大変化(Web2.0)について書かれたものだった。ウェブの爆発的普及によって、誰でもが情報発信者になれる時代が来たという希望を私たちに示した。時代は流れ、今度は「お金2.0」だ。どんな新しい世界が示されるのだろう。

私がショックを受けたのは「デジタルネイティブからトークンネイティブへ」という章であった。著者は小学生の時からパソコンがあり、インターネットや携帯電話がなかった時代のことが想像できないと述べている。いわゆる彼はデジタルネイティブ世代である。「劇的に時代が進化する」時代の前と後では価値観や社会を見る目が一変する。

今のシニアの方は四六時中スマホばかり触っている若者を見て不安がるでしょうし、私の世代が老人になる頃にはトークンエコノミーやAIを使いこなしVRに没頭する世代の人たちに不安を投げかけている絵が想像できます。しかし、そうやって新陳代謝を繰り返しながら世の中は進化を繰り返してきましたし、これからもこのループは続いていくでしょう。

さて、仮想通貨について。私なりの理解はこうだ。ここにジミヘンランドという遊園地があるとする。その中でだけ使える「ジミヘン銀行券」を最初に500円で(5ジミヘン分)買って入場する。遊具に乗って1ジミヘン払い(取引)、また帳簿記入のアルバイトをすると(採掘)3ジミヘンもらえる。このジミヘン券が人気になり、様々なサービスで使えるようになる。遊園地の隣りの食堂では4ジミヘンを出せば、肉うどんが食べられるようになった。20ジミヘン持っているA君は、これをドルにチェンジした。つまり、ジミヘンランドで使われていた“プライベートな貨幣が法定通貨と交換できる。これをインターネット上で実現しているのがビットコインなどの「仮想通貨」ではないだろうか? これらはその人気(需要と供給)によって、法定通貨との交換レートが上下する(勝手な解釈なので、間違っていたらごめんなさい)。

仮想通貨はネット上で使用できる世界共通の通貨(のようなもの)なので、その使用や送金に手数料がほとんどかからないというメリットがあるが、セキュリティーが重要である。それをブロックチェーンという技術で支えているが、人間が作ったものは人間によって破られる。効率と危険のせめぎあいが続きそうだ

さて、この本の著者は、更にこう未来予測をする。

今後は、可視化された“資本”ではなく、お金などの資本に変換される前の“価値”を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。私はこれを“資本主義”ではなく“価値主義”と呼んでいます。2つは似ているようで別のルールです。資本主義上では意味がないと思われる行為も、価値主義では意味がある行為になるということが起きます。(中略)価値主義では新たなテクノロジーの誕生によって、内面的な価値や社会的な価値をも可視化し、それらも経済として成り立たせることで、資本主義の欠点を補完できるようになっています。

私たちシニア世代は、現代の若者が仕事や金に淡白な様子を奇異に感じることがある。一流の会社へ入らなくても良い。家や車を欲しいと思わない。恋愛に興味はあるが、別に結婚しなくてもよい。

生まれた時からモノが足り、立身出世しなくても食っていける世代だ。むしろ、モノを持たないミニマリストに憧れたりする。こういった若者が増えている。私たちと価値観そのものが違うようだ。だから、シニアには「仮想通貨価値主義を理解することは難しい

image by: Shutterstock.com

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【著者】 ジミヘン 【発行周期】 週刊

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