お客様に商品やサービスを提案してもなかなか結果が出ないとお悩みの方、それはもしかしたら、伝える順番に問題があるのかもしれません、今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「価格を先に伝えるか、価値を先に伝えるかで結果が変わってくる可能性」について解説しています。
価格が先か、価値が先か
お客様に商品を提案する際には、価格を先に伝えるべきか、価値を先に伝えるべきかという選択肢が生まれます。この順序をうまく把握してコントロールできると、購入してもらえる可能性は大幅に変わってきます。
例えば、接客をしてもなかなか売れないという販売員に多いのが、価格を先に伝えているパターンです。流れはいろいろあるのですが、「この商品は〇〇円なんですけど、これだけの作り込みがされているんですよ」みたいな提案です。こういう伝え方の場合、お客様は先に価格を知り、その価格相応のイメージをしてしまうので、よっぽどうまく価値を伝えられる人でないと、「なんだ。この価格なのにこの程度の価値なのか」と感じられてしまい、売れにくくなってしまいます。
逆に販売率の高い販売員は、往々にして、価値を先に伝えることを意識しています。「この商品はこれだけの作り込みがされているのに、価格が〇〇円なんですよ」といった提案になっているのです。するとお客様は、先に価値を知ることになり、欲しい気持ちが優先されます。そこに価格が提示されるため、価値相応に感じたり、逆に安く感じてしまったりするのです。商品の価格が上がれば上がるほど、価値を先に伝え価格を後に伝えるのが、心理的には有効なんですね。
テレビショッピングなんかは、ほとんどがこの伝え方で、あらかじめ価値を徹底的に伝えてから価格を提示するので、「これだけの機能があるのに、〇〇円とはなんて安いんだ!」という心理状態を生み出して、販売につなげています。
ですが、必ずしも価値を先に伝えるべきかというと、そうではない場合も存在します。典型的なのが、セール商品です。明らかに本来の商品より安い商品などは、最初に価格を伝える方がお客様の興味を引くことができます。
誰がどう見ても、高そうなレザーのジャケットが、「定価10万円が、セールで1万円なんです」と言われたら、興味を示して、商品説明を聞きたくなりますよね。明らかに商品価値に対して価格が安い場合は、このように価格を先に伝える方が、効果的です。
価値を先に伝える方がいいのか、価格を先に伝えるか方がいいのかは、商品や場面によって変わっていきます。商品に関しては、先ほど書いたような変化が起きますし、お客様の金銭感覚や価値の感じ方によっても、同じようにどちらが先かは変化します。顧客として長年通っているお客様の場合は、すでに商品の良さを知っていたりするので、先に価格を伝えた方が興味を引ける場合もあります。
どちらのやり方が良いか悪いかという話ではなく、臨機応変に場面に応じて、変化をつけられる販売員でいられるかどうかという話です。あなたの扱う商品や、接客するお客様のことをしっかり考えてみてください。どの場面で、どちらを先に伝えればいいのか。これができるようになってくると、自然と商品の購買が決まっていくので、クロージングで無駄な労力を使う必要も無くなります。
今日のおさらいです。
- 伝えるべきは、価値が先か、価格が先か、臨機応変に伝えられるようになる。
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