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自社の言いたいことだけ言う営業が、取引先で相手にされない理由

「取引先に商品の良さをなかなか理解してもらえない」と訴える営業マンが相談にやってきたというのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さん。しかし、「言いたいことだけ」を言っても顧客は聞く耳を持ってくれません。では、どうすればいいのでしょうか。中久保さんは記事中で、「情報提供が最も大切」とし、その理由について分かりやすく解説しています。

お客さんの聞きたいことは? を情報提供する

突然ですが、下記について思い当ることはありませんか?

いかがでしょう? 全く同じでなくても似たようなことで思い当たる節はないでしょうか?とある営業会社もまた、上記のようなことで悩んでいました。その会社の営業マンの1人は、「取引先に商品の良さを中々理解してもらえない」と言うのです。

問題はまさにこの一言に集約されていて、「どれだけ商品力があり、良い商品でも顧客に理解されなければどうしようもない」、見たことも聞いたこともない新商品であればなおのことです。

この会社の営業方法に関する課題は情報提供の少なさ、に尽きました。理解されていないものをいくら説得しても全く響かない。いわば、焼け石に水的な営業を繰り返していたのです。

これらを100%明確に開示していかない限り、「良いものですから…」では到底売れることなんてありません。興味すら持ってもらえる可能性は極めて低い。そして、行き着くところは…値下げ、なんてことになりドンドンと自ら首を締めつけていくのです。

では、情報提供って? ということになると思いますが、

いわゆる自社の言いたいことを情報提供するのではありません。それこそ工夫も何も無いどこの競合他社もやっているので価値ある情報提供ではないのです。お客さんからすれば、単なる売り文句にさえ思えてしまいます。

ではどうするのか? これを考え、実践するのが営業マン、あるいはマーケティング担当者の仕事です。

某メーカーでは、顧客に向けた情報提供を継続的に行い徹底しています。とはいっても、商品の良さを伝えるのではなく、顧客や市場にとって価値ある情報のみを人海戦術によって提供しています。つまり、DMやメールではなくfaces to facesにより情報発信をしているのです(もちろん資料等は必要に応じて提供します)。PR活動を地でやっているといった感じでしょうか。

面と向かって情報を提供するということは会話が生まれます。そんな会話の節々やキーワードから顧客や市場がどんな情報を求めているのか? を読み取るのです。それを今度は、媒体や提案資料にしていきます。要は、アウトプットしながら常に次の情報を提供するためのインプットができる状態を全営業マンが自ら作り出していっているのです。

これは信頼関係の構築・深耕にも役立っているとのこと。さらに、各営業マンがインプットした情報は即座に他の営業マンも共有できる仕組みになっています。こうした繰り返しの中で、商品の価値、営業マン自身の価値、しいては会社の価値がドンドンと高まっています。結果、売上は、ここ数年連続して110%~120%の右肩上がりで市場では席捲しています。

大丈夫では売れるものも売れないし、それどころか価格競争に飛び込んで終わりです。商品力がある、あるいはサービスに自信があるからこそ、顧客にとって価値ある情報、顧客が求める情報提供、お客さんが知りたい情報提供が必要なのです。

御社では顧客や市場にとって価値ある情報はなんなのか? きちんと把握できていますか? また、それを提供できていますか?

■今日のまとめ

「言いたいではなく、顧客の聞きたい情報を提供する」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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