ビジネスシーンでかならず直面する様々な問題ですが、その改善に於いて、「原因の掘り下げを5回せよ」とするのは、飲食店コンサルタントとして活躍中の中西敏弘さん。中西さんは自身の無料メルマガ『飲食店経営塾』で今回、その理由について詳しく解説しています。
問題改善のキモは、「なぜ5回」!
店では、様々な「問題」がある。特に、「お客様に対して迷惑をかけている」、「お客様の満足度を阻害している」問題を直視し、これを愚直に改善していくことが、繁盛店の道であり、永く経営を続けるコツと言える。
ただ、問題には、必ず「原因」がある。この「原因」を無視して改善しても、「問題」が改善することは、100%ない。
例えば、今の店の課題が、「料理提供が遅い」だったとしよう。「料理が遅くなる」には、当たり前だが、必ず「原因」がある。しかし、「原因」の追究が甘いまま、改善に取り組んでも、結果はでない。
仮に、「料理が遅い」という問題に対して、「料理提供が遅いのは、作るスピードが遅いからじゃない?作るスピードをアップしよう。そうだ!アルバイトのスキルが足りないから、遅いんだ。とにかく今は、アルバイトのスキルアップをしよう!」と考えて、アルバイトのスキルがあがるよう教育しても、きっと問題は改善されることはない。
なぜなら、問題が起こるのは、ひとつの原因だけでなく、様々な要因が重なっていることが多いからだ。
実際に、「料理提供が遅い」という問題には、考えられるだけで次のような原因が考えられる。
- 準備(仕込み)が不足している
- 同じ注文が重なり、どうしても提供が遅くなる
- オーダーミスが多い
- キッチン内で指示を出す人がいない
- 人数が足りない
などなどが考えられ、これらの原因が重なっている場合もあるし、ひとつの原因で問題となっている場合もある。
また、これらの原因もさらに「掘り下げる」ことも必要だ!例えば、「準備不足」にしても、これも様々な原因が考えられる。
- 仕込みの量が多く、仕込みの時間が足りない
- 発注ミスが多く、どうしても、仕込みが足りなくなる
- 売上に対しての予測が甘い
- 遅刻する人が多く、本来の仕込みをやる時間を確保できていない
- 新人が多く、「教えながら」なのでどうしてもスピードが遅くなる
などなどが考えられ、また、これらもさらに「原因」がある場合もある。
このように、「問題改善」を図る場合、上記のように「原因追及」することが大切で、そのためにも「掘り下げ」を“何度も何度も”行うことが、実はとても重要なのだ。
そのため、僕が各ご支援先で「問題改善」を図る場合、「なぜを5回やろう!」と話している。
すべての原因追及のために、「なぜを5回やる」というわけではないのだが、5回ぐらい掘り下げることができないぐらいまで掘り下げることができれば、「根本原因」に行きつくからだ。
この「根本原因」が分かれば、意外に、問題改善の行動は非常に簡単になる。だからこそ、「根本原因」を見つける、掘り下げ(なぜ5かい)が重要だということだ!
どんな問題も「根本原因」が解決しないと、仮に、「解決した!」と思っていても必ず「問題」が再発する!
問題が再発しないよう、「根本原因」を見つけ出し、この「根本原因」を解決する事こそが、本当の「問題改善」であると認識し、常日頃から「なぜを5回やる」ことを習慣化してもらいたい!
そうすれば、問題はどんどん解決していくはずだ!
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