5月24日、アメリカ大統領選への立候補を正式に表明したフロリダ州のロン・デサンティス知事。同じ共和党にはトランプ元大統領という強力なライバルの存在がありますが、彼を意識するがあまり、デサンティス氏の発言は過激さを増す一方とも報じられています。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、「ミニ・トランプ」の異名を取るデサンティス氏の「ディズニー敵視姿勢」を紹介。その地元経済を破壊しかねない言動に苦言を呈しています。
ディズニー・ワールドがメキシコに移転?米大統領候補が繰り返す異常発言
ぶっちゃけ、アメリカの大統領選挙は意外な衝撃をディズニー・ワールドに及ぼし始めています。
共和党から立候補を表明したのがフロリダ州のデサンティス知事です。
「ミニ・トランプ」とも呼ばれていますが、若さを売り物に、トランプ前大統領を追う形で支持を伸ばそうと動いています。
外交経験が乏しいとの懸念が出てきたため、日本に夫人同伴で飛来し、岸田首相とも面談の上、日本企業のフロリダ州への誘致を働きかけたものです。
とはいえ、岸田首相は美人のデサンティス夫人にすっかり魅了されたようで、将来のファーストレディになるかも知れないと感じたのか、彼女との握手には異様に長い時間をかけていましたが、知事からの提案には上の空といった様子でした。
現時点では、共和党の候補としてはトランプ氏が他を圧倒しています。
しかし、相次ぐ裁判沙汰に見舞われ、さすがのトランプ旋風もいつ逆風に変わるか分からない状態です。
そのため、デサンティス候補の発言が過激さを増すようになってきました。
その典型的な例が「アンチ・ディズニー・ワールド」発言でしょう。
同知事は「ディズニーは左翼思想の塊だ。同性愛者や人種的マイノリティを優遇し過ぎている。これではアメリカの文化は破壊されかねない。自分が大統領になった暁には、アメリカからディズニーを追い出す」とまで発言をエスカレートさせています。
確かに、このところディズニーの作品はかつてなく「LGBTQ2プラス」へ傾くばかり。
デサンティス知事は「ディズニー・ワールドの隣に犯罪者の収容施設を建設する。ディズニー・ワールドで働く反米思想の持ち主をぶち込む」と、異常としか思えないような言葉を口にするようになりました。
とても将来の大統領を目指す政治家の発言とは思えません。
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「賃金も物価も3分の1」ディスニー誘致に乗り出したメキシコ
そもそも、夢が売り物のディズニーの集客力や経済波及効果は半端ないものです。
何よりも、フロリダのディズニー・ワールドには年間5,000万人の来場者が押しかけています。
同州にとっては最大の納税企業のはず。
同知事の「アンチ・ディズニー・ワールド」発言を受け、ノースカロライナ州では「わが州にディズニー・ワールドを誘致したい」と申し出ています。
それどころか、メキシコからも誘致の動きが活発化するようになりました。
メキシコの関係者に言わせれば、「賃金も物価もフロリダの3分の1だ。気候もフロリダより1年を通じて温暖で過ごしやすい。交通事情も社会インフラも整備されている。しかも、アメリカで頻発する銃犯罪もない。世界中からディズニーファンを呼び込める」。
ぶっちゃけ、トランプ氏を超えようと、過激発言を繰り出すデサンティス候補ですが、地元の経済を破壊しかねないこれらの言動では、この先が思いやられるばかりです。
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