MAG2 NEWS MENU

「揺るぎない日米同盟」どころか危うさ増す日本の立場。トランプとの電話会談後に高市早苗が見せた“不自然な笑顔”

国際秩序の大きな転換点となる可能性も指摘されている、米中首脳による会談。世界の視線が2大国の動向に集まる一方で、日本の立ち位置に対して不安視する声も出始めているようです。今回のメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』』では、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作で知られる辻野晃一郎さんが、北京での首脳会談後に高市首相が見せた言動を検証。さらに米中関係が変化を見せる中で日本が置かれつつある状況について、危機感を含めた率直な見解を綴っています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです:米中首脳会談で置いてきぼりにされた日本

米中首脳会談で置いてきぼりにされた日本

今週20日にはロシアのプーチン大統領が中国を訪れ、習近平主席との中露首脳会談が開催されましたが、その前の14日から15日にかけては、トランプ米大統領が中国を訪問し、習近平主席との米中首脳会談が開催されて、その後はしばらくこの話題で持ち切りになりました。

その中で、私のXのタイムラインには、以下の高市首相の動画が多く流れてきたので、今回はこちらを取り上げます。

https://x.com/kantei/status/2055266507643658492

高市氏は、記者会見やぶら下がり取材を嫌がることで知られますが、このトランプ大統領とのわずか15分の電話会談については、いつになく迅速に会見を開きました。その時の光景が上記になります。

以下は、上記に記載されている記者とのやり取りの要旨です。

記者
よろしくお願いいたします。総理は先ほど、トランプ米大統領と電話会談をされました。トランプ氏が中国訪問を終えた直後のタイミングでの会談となりましたが、トランプ氏からどのような説明を受け、高市総理からどのような話をされたのか伺います。また、台湾情勢は話題に上りましたでしょうか。よろしくお願いいたしします。

高市総理
先ほどトランプ大統領と電話会談を行ったところです。大統領から訪中直後のタイミングで、エア・フォースワンから電話をいただきました。電話会談では、トランプ大統領から今般の中国訪問についてかなり詳細に説明をいただき、経済安全保障を含む経済ですとか安全保障など中国をめぐる諸課題を中心に意見交換を行いました。そしてこれからもインド太平洋地域情勢への対応において緊密に意思疎通を行っていくということで一致しました。また、イラン情勢につきましても意見交換をいたしました。私からは、事態の沈静化が一刻も早く、実際に図られることが重要であるといった日本の基本的な考え方を改めてお伝えをしました。これも日米で緊密に意思疎通を続けていくということを確認いたしました。本日も大変良い議論ができて、トランプ大統領との間で、揺るぎない日米同盟を確認することができました。また、今後もですね、来月のG7サミットの機会に会うことをお互いに楽しみにしようということで、緊密に連携をしてまいります。以上です。

記者
重ねてすみません。米中首脳会談の中で、日本に関するやり取りがあったかどうかということ、トランプ氏からお話があったのでしょうか。それから、ホルムズ海峡の安全な航行をめぐって、改めてトランプ氏側からですね、協力要請ありましたでしょうか。

高市総理
話の詳細については口外しないということを条件に、詳細なお話をですね、聞かせていただきました。イラン情勢についても話をしました。それから、日本につきましては、大変なお力添えをいただいたということで、深く感謝を申し上げる内容でございました。これ以上は申し上げられないことを御理解ください。ありがとうございます。

(※ いま辻野さんのメルマガにご登録いただくと、「メルマガ創刊3周年記念特別企画」として5月からスタートした、ソニー元社長の安藤国威さんと辻野さんの対談を第1回からお読みいただけます。この対談は今後シリーズとして続きます。ソニーを知り尽くしたお二人の貴重な対談シリーズ開始のタイミングに、ぜひご登録をご検討ください)

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ

登録はコチラ

通訳が入りますから、実際にトランプ氏と会話したのは数分程度のごく短い時間だったと思いますが、そのような短時間で、ここにあるように中国訪問に関して詳細な説明を受けたり、イラン情勢についての突っ込んだ意見交換をしたとはとても思えませんから、この会見は、国民に対する単なるパフォーマンスに過ぎなかったことは明らかです。

このような見え透いたパフォーマンスとは裏腹に、今回の米中会談に際して、日本は完全に無視されてしまいました。日本政府は、トランプ氏が訪中前に日本に立ち寄るように相当働き掛けたそうですが、全く相手にされなかったと聞いています。

電話にしても、米側に懇願して何とか実現したとのこと。高市氏としては、米国の後ろ盾を期待して中国への強硬な姿勢を続けたいのでしょうが、期待外れもよいところで、「揺るぎない日米同盟を確認」どころか、日本の立場は非常に危ういものになりました。

高市氏の不自然な笑顔にはいつまでもなじめませんが、いくらこのような作り笑顔で取り繕おうとしたところで、高市氏のトランプ氏への想いは片想いに過ぎないのです。

米中関係や、今後の日本への影響については、現在連載中の特集が終わった後、「今週のメインコラム」でまた随時取り上げていきたいと思っています。

(本記事は『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中 』2026年5月22日号の一部抜粋です。このほか「【3周年記念特別企画】ソニー元社長安藤国威氏と語る」と題した「今週のメインコラム」や「読者の質問に答えます!」、「スタッフ“イギー”のつぶやき」など、レギュラーコーナーも充実。この機会にぜひご登録をご検討ください)

辻野晃一郎さんの最近の記事

(※ いま辻野さんのメルマガにご登録いただくと、「メルマガ創刊3周年記念特別企画」として5月からスタートした、ソニー元社長の安藤国威さんと辻野さんの対談を第1回からお読みいただけます。この対談は今後シリーズとして続きます。ソニーを知り尽くしたお二人の貴重な対談シリーズ開始のタイミングに、ぜひご登録をご検討ください)

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ

登録はコチラ

image by: The White House - Home | Facebook

辻野晃一郎この著者の記事一覧

辻野 晃一郎(つじの・こういちろう):福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中 』

【著者】 辻野晃一郎 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日 発行

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け