串カツ田中の「ハイボール100円」という価格設定が、居酒屋業界で注目を集めています。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、ハイボール100円という施策を一つの事例として、従来の居酒屋の収益モデルがどのように変化しているのか、そして今後の飲食店に求められる商品開発や中小企業ならではの強みについて考えていきます。
ハイボール100円に対して各社考えていること
串カツ田中さんが店舗リニューアルに際し発表された無限ハイボール、トリスハイボールの100円。
これも一つの事例ではありますし、昨今、アルコールを非常に安くして集客商品にするモデルもどんどん増えてきています。
このあたりを見ると、居酒屋業界の変化というのを非常に感じます。
■従来の居酒屋のモデル
10年前ぐらいは、このようなビジネスモデルが多かったと思います。
売上構成比に対して、フードとドリンクの比率が 50 対 50。そして原価率はフード 35%、ドリンクが 25% というもの。
この場合、交差見解率で考えると、35% × 50% + 25% × 50% = 30% というモデルですね。フードが少々高くてもアルコールで儲けることができるので、原価率は30%にしっかりと収まるという形です。
むしろアルコールの構成比率が55%とかになれば、フードの方に原価率をかけても、全体の原価率は20%台で収まるというものです。
この辺りで、当時は単品のフードの原価率が100%みたいな、大盛りであったり魅力的なものでそちらを集客商品にしつつ、アルコールで稼ぐという形も多々ありました。
■飲まない比率の増加
ただ、どんどん変化が起きているのは、今やもう「飲まない」人口比率が半分以上になっているという現実です。
居酒屋をやっていると、基本的には飲むお客様がいらっしゃることになるので、これに対する影響をあまり強く感じていない方もいらっしゃると思います。
しかし、他店舗展開しているご支援先の POS データなどを見ると、この変化はかなり顕著です。今や売上構成比率を見ると、フードとドリンクが 60~65% 対 30~35% ということも多々あります。
「原価率が悪化しているので、全品値上げを考えている」という相談を受けることがあります。
しかし、データを見てみると、単品の原価率自体は特にぶれていません。それなのに全体の原価率が悪化している。
その原因は何かといえば、上記の通り、ドリンクの売上構成比率が下がってしまっていることで、結果的に全体の原価率が上がってしまっているというケースです。
飲まない比率が増えているので、その分1杯目の乾杯用に600円~800円のレンジでちょっといいノンアルコールドリンクを拡充することも、もちろんやります。
ただ、やはりアルコールを飲む人に比べると平均杯数自体は少なくなってしまうため、どうしてもドリンクの売上構成比率が下がるということをノンアルコールドリンクでカバーすることは難しいとも言えます。
平均杯数をKPIにして取り組む支援先も多いのですが、ブランドや立地によってまちまちではありますが、3.0杯から3.5杯程度のレンジになることが多いです。
もちろん、飲むだけの人にフォーカスを当てると 4.5杯くらい出ているのですが、3.0杯から3.5杯になる理由を考えると、やはり飲まない方が増えているからというのは大きいですよね。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■今後必要になってくる変化
フードの原価率自体も、居酒屋の原価率モデルとして適正にしていく。言い換えれば、バラつきはあれども、フードの原価率を30%程度に抑えられるかどうか。
その上で、それを食べたいと思っていただけるような魅力ある集客商品を作ることができるか。
結局、フードの商品開発力が大きな差別化になってくるなとは感じています。
実際、この1年くらい居酒屋のご支援先で徹底的にやっているのは商品開発です。
どのようにやれば粗利も稼ぎつつ、アルコールに頼らなくてもしっかり儲かる居酒屋モデルを作ることができるか、そのテストを重ねています。
そしてこれ自体が、大手企業に対する中小企業の勝ち筋だとも感じています。
大手のご支援先だと、低価格を維持するための努力は本当にすごいものがあります。
川上企業を買収したり提携したり、そこからの物流もどうやれば最適になるのか。工場に入ったときにもどの機械がベストで、その機械の稼働を最大限生かすにはどうするのか。そしてそこから店舗へのロジスティクスをどう組めば最もコストを下げられるのか。
低価格を維持するために、このような努力を徹底しています。
しかし細かいイレギュラー対応はやはり苦手です。大手でも商品開発は頑張りますが、かなり早い段階から企画を組み、かつ上記のロジスティクスを活かしてやるしかないので、どうしても制限はあります。
つまり、この制限こそが中小側の強みになります。
例えばーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2026/09/28号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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