引率教諭3人在宅起訴 「雪崩の安全対策せず」―那須の8人死亡事故・宇都宮地検

2022.02.10
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by 時事通信

 栃木県那須町の茶臼岳で2017年、登山講習会に参加した県立大田原高校山岳部の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で、宇都宮地検は10日、業務上過失致死傷罪で講習会の責任者だった猪瀬修一教諭(55)ら男性教諭3人を在宅起訴した。
 他に起訴されたのは、現場で引率に当たった菅又久雄教諭(53)、渡辺浩典教諭(59)。猪瀬教諭は麓の本部にいた。地検は3人の認否を明らかにしていない。
 起訴状によると、3人は斜面に新たな積雪があることなどから雪崩が発生する可能性を予想できたのに、必要な情報収集を全く行わず、安全確保のための措置を講じないまま、漫然と雪上歩行訓練を実施した結果、雪崩で8人を死亡させ、5人にけがをさせたとされる。
 雪崩は17年3月27日朝に発生。訓練中の生徒らが巻き込まれ、大田原高校の男子生徒7人と男性教諭1人が死亡した。講習会は県高校体育連盟登山専門部が実施し、訓練には県内の高校7校の生徒と教員計55人が班ごとに分かれ参加した。
 県警が19年、教諭ら3人を同容疑で書類送検していた。
 亡くなった教諭毛塚優甫さん=当時(29)=の父辰幸さん(69)は起訴を受け、「大きく一歩前進した。(裁判で)過失や責任が明らかになっていくと期待している。3人は過失を認め、息子に謝罪してほしい」と話した。(2022/02/10-19:16)

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