急展開、全容解明に期待　近隣住民「長かった」―社長、捜査に謝意・王将銃撃

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　長く未解決だった事件が急展開した。上場企業のトップを狙った凶行から８年１０カ月。王将フードサービスの社長だった大東隆行さん＝当時（７２）＝が射殺された事件で京都府警は２８日、工藤会系組幹部、田中幸雄容疑者（５６）を殺人容疑などで逮捕した。事件現場近くの住民からは、全容解明を期待する声が上がった。
　現場となった京都市山科区の同社本社前には朝から大勢の報道陣が集まった。渡辺直人社長は午前１０時半ごろ姿を見せ、「事件発生当初から早期解決を願っていたので、捜査に携わった方々に感謝申し上げたい。今後も大東さんの遺志を継ぎ、お客さまのために従業員一同取り組んでまいります」と話した。黒いスーツ姿の男性が現場に花を手向け、手を合わせる姿も見られた。
　近所に住む８０代の女性は「ずっと解決してほしいと思っていた。事件発生から９年は長かった」と話す。大東さんについて「いつも本社近くのごみ捨て場を掃除してくれる優しい人」と振り返り、「事件後は奥さんと話もできなかったが、落ち着いたら会いたい」と願った。
　同区の７０代女性は「住宅街で大変な事件が起きたんだとびっくりしたのを覚えている。あまり証拠がないのかなと心配していたが、地道な捜査をしたのだろう」と語る。「裏で何が起きていたのか気になる。府警にはもっと頑張ってほしい」と捜査の進展に期待を寄せた。
　掃除をする大東さんと趣味の競馬の話で盛り上がったという近所の山下幹雄さん（８１）は、「同い年ということもあり、良くしてもらっていた。誰にでも分け隔てなく接する気さくな方で、（容疑者逮捕で）大東さんも少しは報われるのでは」と語った。
　田中容疑者が服役する福岡刑務所（福岡県宇美町）には５０人近い報道陣が詰め掛けた。午後１時すぎ、捜査員を乗せた警察の車両４台が到着。逮捕状を執行後、身柄を京都に移送するため午後５時前に刑務所を出発した。車内の田中容疑者は丸刈りで眼鏡を掛け、マスク姿だった。（2022/10/28-18:09）