定期点検から10日で事故 直前飛行も異常なし―突発的トラブルか・陸自ヘリ不明

2023.04.08
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by 時事通信

 沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが行方不明になった事故で、このヘリが事故の10日前に定期点検を終えたばかりだったことが8日、陸自への取材で分かった。点検後の試運転や直前の飛行でも異常はなかった。レーダーから機影が消える直前まで、空港管制と正常に応答していたことも判明しており、突発的なトラブルの可能性が高まっている。
 自衛隊や海上保安庁は捜索を続けているが、搭乗者10人の行方は分かっていない。陸自などは航空機6機や艦艇7隻で海中や周辺に捜索範囲を広げるとともに、漂着物などを確認する陸上要員も約270人体制に増やし、発見に全力を挙げている。
 陸自によると、不明のヘリは3月20~28日に、累計飛行時間50時間ごとに行う「特別点検」を実施。点検後の動作確認のために行う1時間の「確認飛行」も正常に終了した。
 4日に、所属する熊本県の高遊原分屯地から空自那覇基地に移動。その後6日に那覇基地から宮古島分屯基地まで飛行したが、いずれも異常はなかった。宮古島に到着し給油した後、10人が乗って地形視察のため島周辺の周回飛行に出発したが、離陸10分後の6日午後3時56分にレーダーから機影が消えた。
 飛行ルートや管制とのやりとりにおかしな点はなく、突然何らかの異常が生じた疑いがある。陸自は原因究明に向け、飛行の詳しい状況を記録したフライトデータレコーダーなどを捜している。(2023/04/08-13:31)

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