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老いた脳の活性化に「ラブソング」が効く?東大卒タレントが研究報告

さまざまな研究により立証されつつある、大人の脳細胞再生の可能性。もちろんただボーッとしているだけでは再生されるはずもなく、それなりのトレーニングが必要です。メルマガ『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』では脳細胞に関する興味深い研究結果と、木村さんが受けていたユニークな家庭教育を紹介しています。

生き生きとした脳にするために行う習慣とは!? 脳科学の視点から考える

こんにちは! 涼しく過ごしやすい季節になってきましたね♪ 最近は、風にあたるのがとても居心地いいです。

さて、先日、私は大学の公開講座で講演をさせて頂きました。60~70代の地域の方々を中心に、約140名の方々にお越しいただき、大変ありがたく思っております。

「脳とこころのサイエンス」と題して、脳科学や薬学の視点から、脳とこころの健康について考える内容でした。

脳とこころの働きについて知っておくことは、家庭教育や学習法においても非常に重要ですよね。そこで、今回のメルマガでは、公開講座の内容も一部紹介しながら、脳に関する近年の研究を紹介しつつ、家庭教育でもできる、生き生きとした脳にするために行う習慣について、一緒に考えていきたいと思います。

家庭教育においては、いかにお子さんの脳を活性化させて、脳力のポテンシャルを開花させられるかが勝負どころです。もちろんお子さんだけでなく、家庭教育を行う親御さんも一緒に脳が活性化されるはずです。

赤ちゃんの頃は、ものすごいスピードで言語を自然に覚えられるし、子供の頃は、頑張ればわりと覚えられたけれども、大人になってから、記憶力が落ちてきた気がする…。そんなことをふと思ったことはありませんか。

脳を使わないと、どんどん衰えていってしまうのではないか。脳は使っていたとしても、時間とともに脳細胞が減っていくなら、自然と脳はどんどん老いていってしまうのではないか。そんな疑問や不安が浮かんでくるかもしれません。

果たして、それは本当でしょうか。近年の脳科学の研究をご紹介していきましょう。

「脳は再生しない!」

こう唱えたのは、スペインの神経解剖学者であるサンティアゴ・ラモン・イ・カハール氏(1852~1934年)です。彼は、1906年にノーベル生理学医学賞を受賞するほど、神経解剖学の世界的な権威であります。

1928年には

「中枢神経系は損傷を受けると二度と再生しない
「損傷した脳の細胞は回復しない

という内容の研究を報告しました。

成人すると脳細胞の成長はとまり、毎日どんどん脳細胞は減っていく…、という考え方は衝撃を与えますよね。ショッキングです。脳は再生しないという考えは、カハールの呪いとも呼ばれたほどです。

年を重ねていくたびに、脳が老化していくなんて考えると絶望的で、私は年をとることが怖くなってきてしまいます…。

ところが!! 時は流れて、新たな考え方が生まれてきました。

「大人の脳でも神経細胞が生まれている!」

これは、ジョセフ・アルトマン(アメリカ)が提唱した新たな考えです。1965年には、

「ラットの成体の海馬で、神経細胞が生まれている」

という研究を発表しました。

まずはラットの実験においてではありますが、大人でも脳は再生するのではないか!? という新たな希望の光が見出されたのです。脳は再生しないというカハールの呪いを解く新説として、注目されました。

さらに時は流れて、他の動物でも研究が進みました。ラットではなく、鳥の研究です。

「鳥は歌を覚えるために、神経が生まれかわる!」

そう唱えたのは、アメリカの神経生理学者であるフェルナンド・ノッテボーム氏です。1984年には、

「鳥の歌の学習に関連する脳の部位で、神経細胞が新生している」
「カナリアが毎年新しく歌を覚えるという学習と関係している」

という研究を発表しました。

鳥のカナリアは、毎年春になると、求愛をするために、新しい歌を覚え直して歌うそうです。ノッテボームらはカナリアを用いた実験によって、新たに生み出されたニューロンが古いニューロンと入れ替わる事を示し、このニューロン置き換えが、新しく歌を覚えるという学習と関係している事を明らかにしました。

NHKスペシャルの番組で、ボケないようにするためには、知的な活動をすることが大事であり、新しい歌をうたうことが勧められていました。

もしも鳥と同じことがヒトでも成り立つとしたら、ヒトも同じようにいつまでもセクシーに、色気を持ち、恋心を抱いて、新しい歌をうたうことが脳を若返らせるのかもしれませんね。

世の中に、絶えず新しいラブソングが次々と生み出されていくのも納得です。ラブソングは、すなわち求愛ソングですから、新しいラブソングをどんどん覚えて歌うことは脳にとってよいのかも。

ちなみに、余談ですが、我が家では、「新しい曲を3回繰り返し聴いたら、自分で歌えるようになろう」という家庭教育があって、歌の完コピをするトレーニングもしていました。

課題曲は、なるべく自分が実際に聞いてみて、好きだと思える曲を選びます。メロディーが体になじむもので、もっと聴いていたいと思えるもの。

1回目は、静かに曲をじっと聴いて、アタマの中にインプットする。
2回目は、歌詞はラララにして、曲を追いながら小さい声で口ずさむ。
3回目は、歌詞もきちんと口にしながら、一緒に曲を歌う。

3回で歌詞までは完璧に覚えられないので、歌詞をみながらメロディーだけをコピーできるか挑戦しようという遊びです。新曲をカラオケで歌いたくて、今でも習慣的に続けています。

歌を聴くだけだと、聴覚からの刺激が主ですが、自分も歌えるようにするとなると、さらに意識的な記憶の力が必要になってくるので、歌を覚えるということは、生き生きとした脳を保つのに良いでしょう。

(脳を生き生きと保つ生活習慣など、続きはご登録の上お楽しみください)

image by: Shutterstock

 

木村美紀が明かす家庭教育の秘策』より一部抜粋

著者/木村美紀
東大在学中にタレントとして活躍した木村美紀が「学び続けたい」と励む意欲の原点は、幼少時の家庭教育にあった!ここだから言える、木村家のユニークな教育メソッドが満載!
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