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もう見ていられない。友人のDV彼氏、法の力で裁く方法を弁護士に聞く

あなたの身近に、恋人や配偶者からの暴力に悩んでいる人はいませんか? ドメスティックバイオレンス(DV)という言葉は誰もが知るようになりましたが、暴力を振るう相手をどのように裁くことができるのかということは意外と知られていないようです。メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』で正しい情報を知り、「法律」という強い武器を身につけておきましょう。

DVをする友人の彼氏を何かの罪に問うことは出来ますか?

相談

成人の彼氏が未成年の彼女に理不尽な暴力(平手打ち)をした場合、傷害罪になりますか? ケンカをした訳ではなくて、ちょっとした事で彼氏がイライラして突然平手打ちをした場合です。その他に物を投げたり大きな音をたてたりして威圧したり、その他ひどいことをされています。

まさにDVだと思いますが、DVを受けている友達が可哀想です。精神的にコントロールされて自分が我慢すればと思っていますが辛そうです。卑劣な彼氏が許せません。彼氏にきちんと罰を受けてほしいです。教えてください。 (20代:女性)

回答

配偶者や恋人から暴力などの迫害を受けることを一般的にDVと言います。ただ、日本国内の法律でDVに関する法律は、さまざまなものがあります。

直接的にDVを規制する法律としては「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」があります。

同法が対象としているのは、主として婚姻関係にある夫婦と、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者(いわゆる内縁や事実婚)ですが、生活の本拠を共にする交際をする関係にある相手からの暴力にも準用されると定められています(同法28条の2)。

したがって、ご相談の彼氏と彼女が同棲しているような場合であれば、結婚していなくても保護命令など、同法に基づいた被害者の保護・支援を受けることができます。

上記に当てはまらない婚姻関係にない男女間での暴力などについては、一般的に刑法で対処することになります。

ご相談内容を拝見すると、「突然平手打ちをした」行為、と「物を投げたり、大きな音をたてたりして威圧する」行為が問題になりそうです。

前者については、平手打ちをした結果、ケガをしていれば「傷害罪」(刑法204条)、ケガをしていなければ「暴行罪」(刑法208条)が適用されると考えます。後者の行為については、物を投げるなどの行為は「不法な有形力の行使」にあたるため「暴行罪」になると考えます(大きな音をたてたりするなどの威圧行為も含めて、暴行と評価しうるものと考えます)。

このように、傷害罪もしくは暴行罪にあたる行為の被害を受けているわけですから、対応としては警察などに被害届を提出して罪を問うという方法があります。

ただ、DVの被害届を提出することで、かえって暴力がエスカレートすることも想定できます。そのため、例えば、一時的に交際相手から身を隠すための場所を確保するなどの対応も必要になってくると考えます。この点については、自治体の相談窓口、DV被害者の保護を行うNPO法人の相談窓口などを活用するなどの方法が考えられます。

大変だとは思いますが、ぜひご友人の方のサポートをしていただければと思います。

[関連情報]:DVの刑事告訴はいつまでできる?

image by: Shutterstock

 

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