MAG2 NEWS MENU

「被害児童は死んでも構わない」の暴言も。茅ヶ崎「いじめ地獄事件」で新たに判明した第三者委員会の“法律違反”疑惑

神奈川県茅ヶ崎市の公立小学校で起きた、発達特性のある男児に対する凄惨ないじめ事件。日常的な暴行や暴言に加え、紐で首を絞められるという危険行為まで行われていたにもかかわらず、学校サイドの対応はあまりに誠実さを欠くものでした。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、被害保護者への取材や関連資料をもとに「茅ヶ崎いじめ地獄事件」の実態を詳細に報告。さらに学校や教育委員会の対応に潜む深刻な問題点と、再調査の必要性について指摘しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題::茅ヶ崎いじめ地獄事件

「地獄」としか言いようがない。茅ヶ崎の公立小で起きたいじめ事件の深刻

神奈川県茅ヶ崎市で起きたいじめ重大事態。

すでに多くの報道機関が報じ、大問題になっている。

被害児童は適応障害とPTSDに

茅ヶ崎市の公立小学校で、発達特性のある男児が同級生から日常的な暴行を受け、1年以上も不登校となったのみならず、適応障害との診断を受け、後にPTSD相当との診断も出ているという問題で、学校が調査委員会を設置、数々のガイドラインの違反行為や第三者性の欠如などが報じられているが、ここにきて、さらなる問題が生じている。

ただし、これまで起きている問題は超ド級なのだ

命に関わる危険行為も。いじめの異常性

被害を受けた男子児童は、発達特性があり聴覚と触覚が鋭い感覚過敏の症状があったという。加害児童はほぼ毎日複数回殴ったり蹴ったりしたという。さらに、この感覚過敏を試すように「これ痛い?」と言って力加減を変えて何度も蹴ったというのだ。こうした異常性は、まるで実験のように行われていた。

また、調査対象から外れたという被害は命の危険がある危険な加害行為が行われていた。

被害保護者によれば、

「2022年9月14日の給食時間前(給食運びに付き添うための)担任不在時に関係児童Bから紐で首を絞められた事案について、当日中に被害児童が担任に訴えたことから担任が関係児童Bや近くにいたいじめを行った児童Cらに聴き取りをして訴えが事実であると確認し、被害児童保護者に電話で報告」
(被害側のレポート)

加害者(被害者レポート「関係児童B」)の保護者が即日電話と訪問で謝罪をして、繰り返さないように指導すると言ったことで、一旦は、被害側は矛を収めたが、その後、1週間ほど登校開始まで時間がかかったことや、実は他の児童が被害男児の事を「死んでも構わない」と言っていたということがわかっている。被害を挙げればキリがないが、まるで地獄のような暴力と暴言、孤立させられるような被害が繰り返されていたことがわかっている。

しかし、こうしたまるで人を人とも思わない虐待とも言える残忍な行為が日々続けられ、「死んでも構わない」ということが発覚しても尚、学校はいじめとは認知していなかった。

さらに、この首絞め事件は、被害児童がいじめ重大事態の調査の訴えに書いていたのにも関わらず、重大事態前の解決事案とされている。

こうしたところは、いわゆる第三者委員会が発足してからも同様の姿勢で、明らかにおかしいのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録して活動を応援する

聞いて呆れる「第三者性が欠如」した第三者委員会

まず、学校が設置したという第三者委員会は、市教委がどんなに説明を重ねても、第三者の適格性はないと断言できる。

まず、調査委員会の構成は、当該校の教諭と校長、教頭であり、市教委が、「専門性があって第三者」だと言い張るのは、弁護士資格のある茅ヶ崎市教育委員会の職員が加わっているからなのだ。

文科省が定めるいじめの重大事態の調査のガイドラインでは、こうした構成については第三者性に問題があるとしているのだが、一般的に見ても、これに第三者性があるとは言えなし、そもそも第三者性が無さ過ぎて、そうした発想にもならないだろう。

さらに、この調査委員には、本来調査対象であるはずの総括擁護教諭も入っている。この人物は、被害男児の逃げ場を奪っていたというのだ。

まさに、泥棒が刑事で捜査をするようなものなのだ。

さらに調査範囲や調査事項も問題がある。なんと、いじめ被害件数が多いからという理由で、絞って調査をするとされているのだ。これでは実態解明にはほど遠い。

宝石店に強盗が入ったと例えると、100点品物が盗まれたけど、目録を作るのが大変だから、目立つもの20点盗まれたことにしますと言われるのとほぼ同じだ。

そんなあほな…いや事実だから仕方がない。実際に起きたのだ。

きっと、読者の皆様は、ここまで読んでもうお腹いっぱいになっているかもしれないが、酷さはまだ続く。

被害保護者によれば、調査報告書には、少なからず8つの基本情報が抜けているというのだ。この8つは、法律要件や根拠法の記載もなければ、事実経過もないし、重大事態いじめの認定日や報告日もないというもので、重要な要素がゴッソリ抜けているのだ。

この内容を、私も文科省のガイドラインをもとに確認してみたが、もはや報告書というレベルのものではないとしか評価できないものであろう。

実は、私自身も別の自治体の第三者委員を務めているが、基本中の基本で、この情報が抜けていれば、報告書の体を為さないという状態である。

一般企業で調査報告書を作成する仕事をした人であれば、新卒に教える内容やマニュアルがあるだろうが、そうした側面から見ても形式上の要件ではなく、調査の重要な要素や基本が、ゴッソリ抜けているのだ。

つまり、学校が「専門性がある、なんていったって弁護士資格持ちが委員にいるんだぜ~」といって作らせた報告書は、もはや報告書ではなく、単なる作文であったということだ。

ちなみに、報道によれば、茅ヶ崎市については2015年以降に調査委員会を設けたいじめ重大事態21件のうち、調査委員会に外部の専門家が入ったのは1件しかないということだ。

恐るべし、翔んで茅ケ崎なのだ。

一方、いじめは犯罪という機運も盛り上がっているところだ。神奈川県警は今、何かと話題ではあるが、ここではしっかり仕事をしてくれている、本件のいじめに関する暴力等の事件では、加害児童を触法少年として調べ、児童相談所通告としている。

しかし、学校と茅ヶ崎市教育委員会は、被害男児や被害保護者の意向を無視し、本来警察と連携しなければならなかったこの事件では、連携も通報も行わなかったのである。

公立校ならほぼ全てが加入している共済保険についても学校は案内も何もせず、時効が過ぎるまで放置しているのだ。

さらに驚くのは、調査委員の構成メンバーを被害側が知ったのは、調査が始まって8か月後の事であり、それはすなわち、文科省が厳守してくれと通達を出し、地方教育行政は特に公務なのだから法律は守るはずとしていた事前説明をしていないということになるわけだ。

もはや、ガイドラインも法律もここでは守らないことが常態化していたと言えるだろうし、それまで起きた酷いいじめ事件から何も学んでいないし、再発防止策もないということを意味しているだろう。

実はまだある。まだあるが、もうそろそろ新事実に入ろう。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録して活動を応援する

もはや市長にしか止められぬ学校及び市教委の暴走

学校及び市教委は、被害側の個人情報がたっぷり書かれている調査報告書という題名の作文を、加害側に見せているというのだ。その上で、加害側の意見書を待っているので、正式な報告が2026年3月になっても行われていないのである。

所見書を添えて意見ができるのは被害側となっているのだが、どうやらそうした法律もガイドラインも一切無視するスタイルのようで、もうカオスなのだ。

記事を通じてになるが、この暴走を止められるのはおよそ茅ヶ崎市の市長である佐藤光市長しかいないだろう。佐藤光市長、もしくは佐藤光市長に直接連絡が取れる方は、この記事を見たら、私ではなくても信頼する弁護士なり教育行政の専門家、文科省の児童生徒課あたりに、これで大丈夫か?確認するといいだろう。

学校擁護派も被害支援側も専門家間に見解の違いも対立もあるが、本件で起きている問題には、さすがにスタンスが違っても意見は同じになるはずだ。

多分相談を受けた相手がコーヒーを飲んでいたら、盛大に噴き出す結果になる。

吉本新喜劇の舞台にいれば、盛大に半径1キロメートルにいる人がずっこけてくれるだろう。

本件で起きている事実が、現実かどうかわからなくなって、幽体離脱してしまうかもしれない。

笑ってはならない実際にその地獄を体験している被害者がいて、この地獄に対峙している家族がいるのだ。

被害保護者の要望と悲痛な訴え

私は当然、直接被害保護者から話を聞いている。関連資料を見ながら、1つ1つ説明してくれたが、ここまで書いたことは、事実証明できる出来事の一部でしかない。

よく事案を整理できている被害保護者は多くいるが、その中でも茅ヶ崎事件の被害保護者は問題の構造までをよく理解して、問題ごとに整理ができていると私は感じた一方、学校側、市教委側は弁護士資格を有する職員がいても、作文レベルでしか報告ができないとか、基本的な姿勢から誤りがある状態で、もはや問題以前の問題であることが一目でわかってしまうのだ。

そこで、被害側に今後についての要望について聞いてみた。

「報告書の公開と同時に所見書の公開を強く望みます。また、今回の調査には根本的な瑕疵があるので、市長による再調査委員会の設置を強く要望しています」

その上で

「我が子が経験したような被害が二度と起きないように、被害後の学校や教育委員会の対応によって更に苦しめられる子どもがいなくなるように、しっかりとした対策が全国に広がることを望んでいます」

「特に大阪寝屋川市で有効に機能している『寝屋川モデル』を本格的にそのまま茅ヶ崎市でも導入してもらいたいと思っています」

※ 寝屋川モデルは教育的アプローチ、行政的アプローチ、法的アプローチの3つを柱に画期的な積極策が取られる実効性の高いいじめ対策として注目を集めている――(『伝説の探偵』2026年3月9日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方はぜひご登録ください。初月無料でお読みいただけます)

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録して活動を応援する

 

 

image by: 茅ヶ崎市公式ホームページ

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」 』

【著者】 阿部泰尚 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 9日・23日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け