みなさんの日常は、神秘と不思議に満ち溢れていますか? 残念ながら、恐らくそんな人はほとんどいないでしょう。日々の暮らしは人の波と慌ただしさに支配され、週を終えるころにはすっかり息切れしてしまいます。そんな目まぐるしくも代わり映えのしない日常から解き放たれるために必要なのは、やはり「神秘」と「不思議」の世界です。今回はアメリカ国内に現存する、必ず訪れるべきミステリアスで魅力的な10か所についてご紹介します。
1. ハイウェイの高架下に眠る巨人『The Freemont Troll』
image by: Wikipedia
シアトルでもっとも目を引くパブリックアートのひとつであるこの作品は、ハイウェイの高架道路の下にあります。
コンクリートでできた約5.5メートルの「モンスター」は、4人のアーティストによって造られ、スカンジナビアに伝わるおとぎ話をモチーフにしています。
シアトル市民に愛されるこのモンスターには、いろんな人が見に訪れてはタトゥーやネイルを施していくそうです。
2. サイケな洞窟にお目にかかれる『Ra Paulette Caverns』
ニューメキシコのアーティストRa Pauletteが25年以上もの月日を費やして、自然の石窟を柱や窓、浅浮き彫りの壁を設えたサイケデリックな砂岩の洞窟へと作り変えたこの場所は、まさに神秘的で一見の価値あり。
彼の作品の多くは私財であるが、ここはガイド付きツアーでの観光が可能。
3. 巨大な足のモニュメント『Ozymandias on the Plains』
イギリスの詩人Percy Bysshe Shellyが詠んだ詩「Ozymandias」は、古代エジプト王ラムセス2世の盛衰を謳ったもので、エジプトの砂漠の中で廃墟となったオジマンディアス王 (ラムセス2世) の像について描かれています。
そのオマージュとして、エジプトの砂漠ならぬ牛の牧草地に作られた巨大な足のモニュメントが観光名所となっています。
4. 電子オルガンがある鍾乳洞『 The Great Stalacpipe Organ』
バージニア州のシェナンドー渓谷にはたくさんの鍾乳洞があり、なかでも「ルーレイ鍾乳洞」は、世界で最も大きな楽器のひとつであるオルガンで有名。
1950年代に作られたこの電子オルガンは、パイプとして鍾乳石を使用するのです。
何キロメートルにも及ぶワイヤで演奏台を地層に固定し、完璧な音階を創り出すのです。
何とも神秘的な音色を奏でるこのオルガンは、毎日演奏されているそうです。
5. 巨大なアンテナ『Holmdel Horn Antenna』
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1960年代、ベル研究所の研究員2名は、NASAの衛星を観測している際に「ブーン」という音を聞き続けました。
はじめ彼らは、当時電波望遠鏡として使われていた巨大なアンテナの上で、鳥が何か音を立てているのかと思いましたが、実はそれは、地面に浸透するマイクロ波背景放射の音だったのです。
この発見は、宇宙爆発起源論におけるビッグバンを証明するものとなり、世紀の大発見を称えられた彼らは、のちにノーベル賞を受賞しました。
6. 不確かな生き物を追求『International Cryptozoology Museum』
image by: International Cryptozoology Museum
メーン州のポートランドにあるこの博物館「International Cryptozoology Museum」。カナダの山中に住むと言われている毛深くて人間に似た動物「サスクワッチ」や雪男に代表される、存在自体が不確かである生き物に関連した展示を行っています。
例えばシーラカンスや1938年に南アフリカの沿岸で発見された恐竜時代の魚などの展示を行っています。
7. 航空会社の落し物が売っている『Unclaimed Baggage Center』
image by: Unclaimed Baggage Center
あなたがもし、ジャケットやiPadを機内に置き忘れたら、それは最終的にアラバマ州の小さな町で売りに出されているかもしれません。
カフェや博物館もあるこのセンターは、航空会社の落とし物を販売しています。
3,500年前のエジプトのマスクや映画に出てくる人形など、掘り出し物に出会えるかも。
image by: Unclaimed Baggage Center
8. 50年かけて作った手作りの城『Bishop Castle』
image by: Wikipedia
世の男性にとって我が家は自身の城だとはよく言いますが、Jim Bishop氏はそれを「極端に」実現しました。
彼は15歳の時から50年かけて、本当に自身の城を築いたのです。
ほんの450ドルほどで土地を買い、はじめは家族用のコテージを建てようとしていましたが、岩を積み上げた様子を見た近所の人たちが「まるでお城のようだ」と形容したことをきっかけに、彼はコテージではなく、本当の城を造り始めたのです。
9. 水が消える不思議な滝壺『Devil’s Kettle』
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ミネソタ州にあるJudge C, R. Magney州立公園には川が流れていて、公園を通過する間に数か所で滝になっています。
途中、岩の塊にぶつかる地点で二手に分かれた流水のうちの1つが滝となって巨大な滝壺へと落ち込むのですが、その後、水はそのまま消えてしまうのです。
落ち込んだ水がどこへ行くのか、どこかの湖につながっているのか、誰にも分かっていません。
これまでに蛍光塗料やピンポン球でその行方を調査してきたそうですが、いまだに真相は謎につつまれています。
10. なにもない街『カリフォルニア州カリフォルニア市』
アメリカ国内で3番目の大きさを誇りながらも、スポーツのプロチームや空港のない街、カリフォルニア州カリフォルニア市。
モハベ砂漠の端に位置するその地域は、かつて公園や道が造られましたが、そのひたすらに広大な地に住もうとした人は少なく、結果として車やバイクのツーリングコースとなっています。
アメリカは広く、世界はもっと広いのです。
たまには日常を飛び出して、巨大な自然や人工の産物に浸ってみてはいかがでしょうか。
Source by: USA Today、Wikipedia、International Cryptozoology Museum、Unclaimed Baggage Center
文/貞賀 三奈美