職場でも家庭でも、「人を育てる」というのは簡単なことではありませんが、なにか指針があれば目指す方向も見えてくるものです。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが、相手の成長を促すシーンで大切にしているある言葉を紹介してくださっています。
相手の成長を促す3つの事
私は、約10年にわたり、人材育成研修機関にて、研修の聴講、そして、その内容を研修レポートという形で作成してきました。その研修に参加されている中小企業の経営者や上層部の方々、中間管理職の方々と研修の合間の休憩時間などにお話をする機会があります。
その方々のお話の中で、企業内での部下育成など、人財育成の難しさについてお聴きすることがあります。「人を育てる」「人を伸ばす」という人財育成の難しさは、企業などの組織だけの話ではなく、家庭内においても感じられているのではないでしょうか。
以前、株式会社アントレプレナーセンター代表取締役である福島正伸氏のご著書『「夢」が「現実」に変わる言葉』を拝読してしました。同著の中で、「人を育てる」ことについて共感した一節がありました。
福島氏は、ご著書の中で、「育てるとは信じ続けること」と著されています。この一節に関連して、私自身が大切にしている言葉があります。それは、「信じ・待ち・許すこと」という一節です。
この言葉は、私が、中学生か、高校生の時に、「スクールウォーズ」というドラマを再放送で見ていた時に、ある場面で出てきた言葉です。非常に印象が強く、今でも、心に残っている言葉です。
他者を育てることとあわせて、自分自身を育てる、成長させていく上でも、「信じ・待ち・許すこと」が必要ではないでしょうか。
相手に「成長してもらいたい」と考える上においては、まず、相手のことを「信じること」が大切になってくるでしょうね。もし自分が、相手に対して、
「この人はできないだろう」
「ダメだろう」
といったように否定的に考えていたらどうでしょうか。そもそも相手に成長してもらいたいとは思わないでしょうし、成長を促そうとしても、本気にはならないでしょうね。
また、その相手だって、自分のことを否定的に考えている人から育てられたいとは思わないでしょうね。
自分自身のことを
「できるよ」
「やれるよ」
「伸びるよ」
と肯定的に捉えて、考えてくれる人から育ててもらいたいと思うのが当然ではないでしょうか。そして、自分自身が「日々、成長したい」と思って、「自分は、成長することができる」と自ら信じることができれば、自分を成長させるための行動を起こしていくことになるでしょうね。
他者を育てる、自分自身を育てる上では、「待つこと」も必要なことだと思います。昨今の時流として、人財育成においても即戦力、効率化といったことが求められているように見えます。
例えば、企業として新卒採用よりも中途採用を重視するといったことが挙げられます。経済・社会環境の急激な変化や時間の制約などによって、人が成長するのを待ってられない現状なのかもしれません。
しかし、左から右へ、次から次へと物ができるように、人財が成長していくわけではありませんね。ですから、待つことも人が成長していく上では欠かせないものではないでしょうか。
「許すこと」も人を育てる上では大事なことだと言えますね。相手が何らかの失敗、間違いをした時に、「何やっているんだ!」などと叱責したところで、相手を萎縮させるだけですね。まったく意味がなく、その人を成長させることには結び付きにくくなるでしょうね。また、他者が失敗した際に、「いいよ、あとはやっておくから」といったように相手をかばっても、相手を成長させることにはつながらないでしょう。
では、人を育てるというところの「許す」というのは、どういったことかというと、「相手を受け止めること」だと言えるのではないでしょうか。なぜなら、相手が失敗したことをまず受け止めて、相手が失敗したことを踏まえて、相手に考えさせて、次の行動を起こせるように促していくことが、人の成長を願う上での「許すこと」なのではないでしょうか。
子どもたち自身が育っていく、成長していく上でも、また、そのサポートをしていく際にも、
「信じること」
「待つこと」
「許すこと」
は大切なことだと言えるのではないでしょうか。
◆参考文献『「夢」が「現実」に変わる言葉』
福島正伸 著/三笠書房
image by: Shutterstock
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