ごく普通の商品でも、「限定色」「地域限定販売」などと謳った途端に爆発的な人気となることがあります。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、そんな付加価値をつけることの「価値」について、コメダ珈琲で知られるコメダホールディングスが運営する甘味処「おかげ庵」などを例にあげ、わかりやすく解説しています。
付加価値をつけることの「価値」
あるお肉屋さんでは、コロッケを1個50円で売っています。安さと美味しさでよく売れているのですが、その横で1個1,000円の大きなコロッケも売られています。多くは売れないものの、その珍しさで買っていくお客さまもいます。
話題性もあるので、メディアにも取り上げられ、巨大コロッケのお店として有名になり、さらにお客さまが増えています。
しかし、このコロッケは、1個50円のコロッケの10倍の大きさです。単純に考えれば、1個500円で売れば良いのですが、価格は20倍の1,000円。
それでも売れるのは、「驚き」と「珍しさ」があるからです。付加価値をつけることの「価値」とも言える事例です。
お客さまに手伝ってもらう
株式会社コメダホールディングスが運営する甘味処「おかげ庵」には、自分で団子や五平餅を焼くことができる、「焼物」というメニューがあります。電熱式の焼き台が出てきて、お客さまが自分で焼くのです。
その場ですぐに食べるものなので、焼いてから出せば良いのですが、お客さまはこの「ひと手間」を楽しんでくれます。現代人は、あまりこんな作業をしたことがないので、面白がるのです。
「お客さまに手伝ってもらう」。これも集客のアイデアです。
捨てられない「金券」を作れ!
集客の手段としてよく用いられる、割引券や優待券などの「金券」。チラシの隅に印刷したり、会計後に手渡ししたりしますが、その多くの場合で「安っぽさ」が目立ちます。極薄の紙に印刷したり、1色の粗い印刷で済ませていることがよくあります。
経費を掛けたくないのはわかりますが、「安っぽい金券」は、その効果が半減どころではありません。たとえ100円の価値がある金券であっても、ただの紙切れに思えてしまうのです。紙切れはすぐに捨てられます。もし、財布に入れられたとしても、しばらく忘れていれば、やはりゴミ箱行きです。
「金券」は、価値を感じさせなければならないのです。そのためには、「価値があるような見ため」が大切です。紙幣や株券のような、高級感・重厚感のあるデザインが望ましいのです。「いかにも金券」が必要なのです。
これを手にした人は、捨てられなくなります。捨てることは、お金を捨てることと同じように感じるものです。すなわち、使われる可能性が高くなるのです。使われてこその「金券」。大きな集客効果が期待できます。
「金券」を手にした人が、「ラッキー!」「嬉しい!」「有り難い!」と、思ってくれるようなデザインにしなければなりません。
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