ビジネススーツからから自動車まで、日本人の感覚はハンドメイド技術を褒めたたえ、既成品を一段低く見ます。そしてそのセンスは、「主婦業」にまで及んでいるようです。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、家事を楽しみつつ便利なものは利用する「ワタシ的家事のススメ」を記しています。
家事系趣味
さて、本日の趣味のお話。
現在暮らしているイナカでは、ちっともコンビニエントじゃない距離にコンビニがあるんです( ̄∇ ̄)
なので、たまにコンビニ立ち寄ると、いろいろなモノが目新しい。コンビニの棚は、商品たちにとって激戦区。試しに置いてもらえても売上がさほどでなけらば、あっという間に後輩にセンターを奪われてしまいますから。
そんな、いずれ劣らぬ商品力を持つ強者たちの中でも私が注目するのは
- 冷凍食品 と フリーズドライ
です。いずれもキョーレツな企業努力の果てに、僅かな手数でそこそこマトモな食事の一品を作り出してしまうんですから。
こんなメルマガを発行しているので、たまに買って食べてみるんですが、コレが
- 下手な人が作るよりウマい
- 一から作るより圧倒的に手間がかからない
なカンジなんです。
だってセ●ンの五個入り餃子なんて100円ですよ。で、袋ごとチンするだけ。奇跡みたいじゃない?? しかもキレイに焼けているし。
それほど慣れていないのに、餃子を皮やタネから作らないまでも、チルドの餃子を買って、フライパン温めて、キレイに焼いてって、手間的に比較にならないよね。
つまり、これらは
- 味と手間
のふたつで冷凍食品が自炊メシを凌駕しているんですよ。逆にいうと、素材を切って、調味料を合わせて…という料理の仕方は、すこーしづつ
- 家事系の『趣味』(゜ω゜)
とでもいうべき事態なってきているんです。だって、そんなことしなくったって、美味しくて手軽な市販品があるんだもんね。
ところがね、日本にはなぜか
- 手しごと家事を礼賛する風潮
があるんですよね。
- 合わせ調味料じゃなくて自作
- 習い事バッグはママのお手製
- ルンバじゃなくてホウキと雑巾
みたいな。膝が茶を沸かしちゃうわ。
昨今の冷凍食品やフリーズドライの進化は著しい。そのうち、手作りの料理は、家事系趣味になってしまうんじゃないかというお話。
- えー、そんなのなんだか味気ない
という方、実は、これとソックリなことが既に起こっていることをお知らせししょう。それが
- 『裁縫』
です。
服(和服も含めて)は、かつては……といっても、おばあちゃんやおじいちゃんが子供だったころくらいの、まだその時代を記憶している人がいるくらいの時代のお話ですが…各家庭内でちゃんと作られていたんです。
でも、現在は
- 買うのがフツー
ですよね。まさか生地から織って(!?)家族の服を仕立てている人なんていないし、いたらいたで
- すんごい趣味の人
扱いされるでしょ。現在では、服を作るという行為は、家事から括り出され、家の外で縫製され、産業に変化したんです。他方で、ごく少数の人たちが家庭内で裁縫や編み物を楽しんでいるんです。
いや、念のために言っておきますが、いいとか悪いとかの問題じゃないですからね。そういう歴史を辿ってきたというハナシですよ。
多分、これと同じようなことが料理でも起こりつつあるんです。家事も社会も商品も、変化していくからね。
でね。ワタシ的家事のオススメとしては、
- 便利なモノは利用すべし
- 楽しいモノは楽しむべし
です(^▽^)b
手軽にゲットできる市販品があるなら、それを買って利用したらいいんですよ。別に、一から作ることに拘らなくてもいいじゃない。
逆に、作りたいなら負担にならない範囲で作って楽しんだらいいんですよ。市販品じゃ気に入らないものだってあるはずでしょ。
そして、忙しいなら市販品を、得意料理や作りたいキブンなら手作業で、仕事や体調に合わせてテキトーに変えましょうよ。どっちかヒトツに決めなくたって構わないと思うんですよね。
これって、特別なことじゃないんですよ。そう、
- 既成服をフツーに買って着ている
- たまにマフラーなんか編んだりしている
でしょ? 裁縫のスキルは、ほぼ完全に家庭内から駆逐されたので、裁縫も編み物も刺繍も、まったくやらない人もいるでしょう。でも、それで問題ないですよね。市販品でほぼほぼコト足りるからですよ。
こんなことをわざわざ書くのは、日本人には極端に振れすぎるクセがあるし、手作り系への憧れを煽るような情報が溢れかえっているからです。
フツーは、みんな
- 自分や家族のため
に家事や料理をするんであって、どこにいるんだか解らないミョーな同調圧力を作り出すひとのためじゃないんでしょ。それなら、そんなこと気にしなきゃいいんですよ。
進化している冷凍食品やドライもの。すでに素材の一部だと認識して、気軽にテキトーに使ってみてくださいね。
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