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東京23区の最高峰。愛宕神社の石段を登るとなぜ出世するのか?

田町‐品川間の新駅の名前が「高輪ゲートウェイ駅」と決まり物議を醸した翌日、東京メトロ日比谷線の新駅の名称も発表され、「虎ノ門ヒルズ駅」と決まりました。これに反応したのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNYに住むりばてぃさん。昨年秋の出張帰国時に、虎ノ門ヒルズ周辺に宿泊したそうで、そこからほど近くにあり、出張時のお参りにぴったりな「出世の石段」を擁する愛宕神社について紹介しています。

日本の神社の思い出

都市再開発が進む中、新たに誕生する駅が話題だ。みなさんもニュースでご存知のとおり、公募したにもかかわらず、応募数36件で130位だった「高輪ゲートウェイ駅」は反対する署名運動まで広まっている。 ちなみに応募数では、1位が高輪(8398件)2位が芝浦(4265件)、3位が芝浜(3497件)だったとのこと。

ご参考
「高輪ゲートウェイ」わざわざ長い名前にしたJRのしたたか計算─公募では130位だったのに
JR東”ゲートウェイ賛成多い”

「高輪ゲートウェイ駅」の他にもう1つ、東京メトロ日比谷線の霞ケ関駅~神谷町駅間に建設中の新駅の名称が「虎ノ門ヒルズ駅」と決まった。2014年に開業した虎ノ門ヒルズと繋がる駅なので、違和感ないと好評のようだ。

ご参考
虎ノ門ヒルズ駅に名称決定。高輪ゲートウェイ駅と比較して「ほとんど違和感ない」と歓迎の声

実は、この虎ノ門ヒルズ周辺には少し思い入れがある。昨秋、日本に出張帰国した際に数泊したホテルが虎ノ門ヒルズ周辺だったのだ。クライアントと会うために都内複数のホテルに滞在し、義実家、名古屋など地方複数箇所へと移動が多かったのだけど、出張スタートと終わりは、この虎ノ門ヒルズ周辺だった。

東京都内といっても、マンハッタンと違ってとっても広いので、できるだけ目的地の近くじゃないとかなりの時間ロスになってしまう。今回、日本にご招待してくれたクライアントのオフィスがこの周辺。そして、参加しないといけないシンポジウムや会食のほとんどが銀座、霞ヶ関、六本木周辺だった。

東京の地理にあまり詳しくないので、ホテル探しにかなり苦労したのだけど、たまたま見つけたホテルがリーズナブルで朝食付き、皇居が近い(走れるかも!という期待)などなど条件がぴったりで決定。数日間だけど、虎ノ門ヒルズ周辺に泊まることになった。

で、そのホテル周辺をいろいろ検索した中で見つけたのが愛宕神社だった。愛宕神社は、23区内で一番高い山、愛宕山にあり、「出世の石段」と呼ばれる急な階段が神社前にある。この階段を止まらずに一気に駆け上がると出世すると言われているらしい。

なんだか、今後のお仕事にも大きく影響するかもしれない出張時にお参りするにはぴったりな気がする。このタイミングで見つけたのは運命かもしれない!そんな想いで、日本滞在1泊目と滞在最終日に虎ノ門ヒルズ周辺ホテルに泊まり、初日は、日本でのお仕事の無事をお祈りして、最終日は、無事の終了の感謝をする…という感じでお参りしてきた。

せっかくなので、愛宕神社の公式サイトから、なぜ「出世の石段」と呼ばれるようになったのか以下引用してご紹介しよう。「出世の石段」と呼ばれる由来は、講談で有名な「寛永三馬術」の中の曲垣平九郎(まがき・へいくろう)の故事にちなむそうだ。

時は寛永11年、江戸三代将軍、家光公が将軍家の菩提寺である芝の増上寺にご参詣のお帰りに、ここ愛宕神社の下を通りました。

折しも春、愛宕山には源平の梅が満開。家光公は、その梅を目にされ、 「誰か、馬にてあの梅を取って参れ!」と命ぜられました。 しかしこの愛宕山の石段はとても急勾配。歩いてのぼり降りをするのすら、ちょっと勇気が必要なのに、馬でこの石段をのぼって梅を取ってくることなど、とてもできそうにありません。

下手すれば、よくて重傷、悪ければ命を落としそう。家臣たちは、みな一様に下を向いております。 家光公は、みるみる機嫌が悪くなり、もう少したてば、怒りバクハツ!というそのときに、この石段をパカッ、パカッ、パカッとのぼりはじめた者がおりました。家光公。その者の顔に見覚えがありません。

「あの者は誰だ」 近習の臣に知る者はありません。

「おそれながら」

「おう」

「あの者は四国丸亀藩の家臣で曲垣平九郎(まがき・へいくろう)と申す者でございます」

「そうか。この泰平の世に馬術の稽古怠りなきこと、まことにあっぱれである」

平九郎は見事、山上の梅を手折り、馬にて石段をのぼり降りし、家光公に梅を献上いたしました。

平九郎は家光公より「日本一の馬術の名人」と讃えられ、その名は一日にして全国にとどろいたと伝えられております。(愛宕神社の公式サイトより)

実際に行ってみるとわかるが、とっても急な石段。急なだけじゃなく石段なので表面はぼこぼこしていて登りにくい。こんな階段を馬に乗って一気に駆け上がったのが信じられないけども、江戸以降にも馬で登り降りすることにトライをして、成功している方が何人かいるそうだ。

ご参考
愛宕神社トリビア(公式)

ちなみに愛宕神社は何のお願いにも効くとのことで、お守りも出世、健康、恋、安産、ペット守りなどなど様々なものがあった。お参りする場所もメイン拝殿の他に、小さな拝殿がいくつも!その度にお賽銭を出すので、小銭はたくさんあったほうがいいかも。参拝する方はけっこう多くいらっしゃって、ビシっとスーツをまとった人もちらほら。久しぶりに日本のお参り文化に触れた時間だった。

そんなわけで虎ノ門ヒルズ周辺を中心に目的地に移動していたのだけど、実は意外と電車が不便だった。都市開発に詳しいクライアントが「陸の孤島」と言われていると仰っていたが、たしかに、ぴったりだと思った。

最寄り駅には徒歩10~15分は歩かないといけないのだけど、虎ノ門ヒルズ駅がオープンすればかなり便利になると思う。次回の日本出張時にも愛宕神社にお参りしたいなと思っているので、新駅のオープンが待ち遠しい。

image by: Criteriaire [CC BY-SA 4.0], ウィキメディア・コモンズより

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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