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今、直面する「6回目の大絶滅の危機」を人類はどう回避すべきか

アフリカで700万年前に登場した人類。猛獣におびえていたか弱い生物種は、今や地球を破壊しようとするまでに至っています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では森林インストラクターの神座侃大さんが、自身の取り組む自然保護活動の中で感じた環境の変化から、生態系維持に人々はもっと危機感を持つべきと訴えています。

目をそらすことのできない、地球の危機

ボランティアで約40年にわたって森林を守り続ける神座さん。自然とともに生活してきた神坐さんは、そうした知見に基づいて、「人類は滅亡の危機に瀕している」と警鐘を鳴らし続けています。

一人でも多くの人に環境問題に関心を持ってほしいと語る神座さんの話に耳を傾けてみてください。

国家百年の計 神座侃大(森林インストラクター)

本業である糸屋の経営の傍ら、これまで私は約20名の仲間とともに毎月1回、埼玉県所沢市周辺を中心とする約9ヘクタール2万7,000坪の雑木林の再生活動に取り組んできました。最初は市所有の雑木林の管理を委託されていましたが、私有の9ヘクタールの雑木林が荒れ放題だったために、仲間とともにその再生に努めるようになったのです。

まず不要な木を伐採し雑草を取り除きコナラの木を中心とした林に戻していきます。当初、植生は40種類程度でしたが、手入れを行ったことにより日光の当たり方が変化し、もともと土壌の中に埋まっていた種が芽を出すようになって、いまでは250種類を超えるようになりました。

1年1年の変化は僅かでも、20年以上、黙々と手入れし続けていることで、都市部にありながら雑木林が見違えるように再生したことを実感しています。

(中略)

一方で、雑木林に長年いると、自然環境の変化をいち早く察知できるようになりました。

例えば、埼玉県には県の蝶であるミドリシジミが生殖していますが、ミドリシジミの幼虫が食するハンノキが減少すると、ミドリシジミの姿も減少しました。

他にも、水質が綺麗な地域にしか生息しないブヨなどの生物も急激に減少しています。これは水質が汚れている証であるにも拘らず、一般の住民たちにとっては「ブヨに刺されるよりはいなくなるほうがありがたい」という程度の認識です。

このように私たちの身近なところで確実に環境は汚染されているのです。

地球上に生活する何万種という生物たちは、互いに手を取り合い、食物連鎖を繰り返しながらピラミッド状の生態系を築き暮らしていることはご存じのとおりです。

46億年の地球の歴史の中で、生命が誕生したのは38億年前。その中で生命は気候変動、火山の噴火、隕石の落下など外的要因によって5回、大絶滅の危機に瀕してきました。そして現在、第6回目の大絶滅が始まっていると危惧されています。言うまでもなく原因をつくったのは人類です。

人類も初めは生態系の一員でしたが、火を使い始めた頃から生態系を外れ、ピラミッドの頂上に君臨するようになりました。いまはまだ生態系が何とか保たれていますが、そのバランスが一度崩れたとしたら一気に波紋は広がり生命の大絶滅の危機に直面することになるでしょう。

38億年に及ぶ生命の進化の流れと比べると、人類が刻むリズムは加速度的にだんだんと早くなっていることが分かります。

この早すぎる進化のリズムが何を意味するのか。このまま推移すれば、絶滅する生物はさらに増加し大絶滅が現実のものとなることは確かです。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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