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溺れかけの韓国。世界中から無視される隣国の崩壊カウントダウン

去る4月11日、WTOの上訴審は1審の判断を覆し、日本の主張を退けましたが、この勝利を喜んだ韓国に対し、国際社会の反応は冷ややかでした。メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、数々の国際舞台で交渉人を務めた島田久仁彦さんは、世界各国で積もり積もった不満と不信感により、「意図的な韓国無視」が広がっていると指摘。「溺れかけた韓国」が本当に溺れてしまったときの対応策の必要性を説いています。

溺れかけている韓国をめぐる情勢

日本から提訴されていたWTO憲章違反(日本からの海産物の輸入禁止措置への抗議)について、WTOの上訴審では日本の主張が退けられたこともあり、韓国国内では「日本に勝った!」と盛り上がっていましたが、この“盛り上がり”が逆に国際社会からの顰蹙を買い、韓国の首を絞める事態になっています。

安倍総理が欧米各国歴訪しましたが、その際に欧州委員会をはじめ、欧州各国そして、アメリカとカナダから、「WTOの審理結果への懸念」が共有され、6月28日と29日に大阪で開催されるG20サミットの議題として挙げることに対してサポートを得ました。 「科学的な根拠もなく、輸入禁止措置を取ることは適切ではない」というのが各国の反応で、トランプ大統領やTrudeauカナダ首相などは、WTOの裁定に対し、疑問を呈するまでに至りました。

アメリカについては、かねてよりWTOの公平性に疑問を呈していましたので、ある程度予想はつくのですが、カナダまで同じ意見に傾き、そして欧州各国も“強い”懸念をサミットで提示することに合意したのは意外な結果でした。これはまさに日本外交の戦略勝ちと言えると思います。

それを受けてか、日本も欧米諸国も、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、アルゼンチン、サウジアラビア、南ア、そしてついにはロシア、中国まで、「意図的な韓国無視」の姿勢が出揃いました。この裏には、今回のWTO裁定に係る問題に加え、積もり積もった不満と不信感が爆発したという現実があります。

各国に韓国資本の投資が行われていますが、各国内における態度や無理難題の強要、そして国内法の非遵守(特に賄賂事件)などが積み重なり、各国においてアレルギー反応が出ているようです。それに比例してか、韓国資本のブロックや、輸入の著しい減少、そして韓国への投資も一気に取りやめる事態が出ています。

その影響をもろに受け、韓国経済は、危険水域まで沈んできています。そのメインドライバーになっているのが、世界的な韓国企業としてこれまで外資獲得に活躍してきたサムソンの強烈な不振です。いろいろなデータが出ていますが、平均すると去年の同四半期に比して売り上げが6割減少しているとのこと。

また、最近報じられたアシアナ航空の売却、韓国自動車企業の業績悪化、観光産業の壊滅的な打撃など、韓国経済への悪影響の要因を挙げればキリがない状況になってきています。

徴用工問題や韓国国会議長の上皇陛下に対する暴言、慰安婦問題の蒸し返しなどを元凶として、日本国内で韓国に対するイメージが悪化しており、「自業自得だ」との意見も多く聞かれますが、もし韓国経済がこのまま悪化の一途を辿り、デフォルトするようなことが起きれば、隣国として無風でいられることは難しいと思われます。

つまり諸々思うところは多々あっても、前もって影響には備えておく必要があります。言い換えれば、助けるのか、見捨てるのかの判断は、近々必要となってきます。最近の反応を見る限り、残念ながら、見捨てる方向に舵が切られているかと思われます。

次に、安全保障面での韓国離れです。これは、以前にもお話した在韓米軍の戦略的な位置付けの低下です。最近、「普天間に戦略爆撃機や戦闘機、そして、無人偵察機などが多く終結し、まるで戦時であるかのように、離発着が繰り返されている」との声が聞かれますが、実はこれこそが、アメリカ軍の北東アジア地域における戦略的な再編を意味します。

文政権があからさまに対北朝鮮傾倒を見せる中、トランプ政権は韓国を戦略的なパートナーとみなさなくなり、代わりに沖縄や厚木などに北東アジア・太平洋地域の戦略的な拠点と戦力を移しています。

これに加えて、中国、ロシアも、朝鮮半島有事に備え、“日米と共に”朝鮮半島全体を地域安全保障のターゲットエリアに定めました。これは裏返せば、韓国を戦略的なパートナーとはみなしていないとのサインと受け取ることができますし、もう韓国と北朝鮮を別の国とはみなしていないとも言えるでしょう。この状況をどのように韓国が、そして国際社会が打開しようとするのか、非常に懸念しています。

そして本当に大変なのが、韓国内での分裂です。WTOでの対日勝訴については、一瞬盛り上がりがあったと聞きますが、その他の問題については、韓国民の間でも、これまでのように日本をスケープゴートにするのではなく、国内で解決すべきであり、国際社会に恥をこれ以上晒すべきではないとの意見が大多数を占めています。

元徴用工の問題は、完全に“国内問題”ですし、「あまり日本を煽って見捨てられないか」と心配する声も多くなってきています。この高まる懸念を受けてでしょうか。文政権の総辞職や、過激な線ではクーデターを勧める声まで挙がっている始末で、悪化し続ける韓国経済(特に18歳から25歳の失業率の高まり)への懸念からか、文大統領の辞任を求める声が急激に増えてきています。 朴前大統領への抗議で集結した国民ですから(ろうそくを持って、辞任を求めた運動)、今回も大変な結束を見せるかもしれません。野党はそれに乗じて政権交代を狙っているようですが、野党も具体的な代替案を示すことが出来ておらず、政治的なカオスの様相を呈しています。

そこに付け入るのは、日本でも中国でも、ロシアでもなく、北朝鮮でしょう。混乱に乗じて、北朝鮮による統一を画策するかもしれませんし、このところ下火となっていた政治的な工作活動も再開されるかもしれません。そうなると、確実に韓国国内はズタズタに切り刻まれてしまうでしょう。

いろいろと詰まれてきている状況に陥っている韓国ですが、韓国の崩壊は、北朝鮮を除けば、誰も利すことがないため、国際社会としては、非常に慎重な対応が必要です。 崩壊を避けるべく一応協力姿勢を示すのか、それでも韓国が反抗的な態度を、日本をはじめとする各国に示すなら、一気に見放すのか。その決定を下すタイミングは、想像以上に近づいてきている気がします。

嫌韓論が高まる一方の日本ですが、韓国が本当に溺れてしまったときに起きうる危機を、迅速に明らかにし、対応策を練っておかないと、その荒波に飲まれてしまうかもしれません。

これまで述べた“シナリオ”が、私のただの妄想に終わってくれることを祈ります…。

島田久仁彦(国際交渉人)この著者の記事一覧

世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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【著者】 島田久仁彦(国際交渉人) 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く) 発行予定

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