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ばら撒くなら「還元ポイント」を。人気コンサルが説く景気刺激策

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「景気刺激策としての現金ばら撒きをどう思う?」という質問が届きました。永江さんは「お金の無駄」とバッサリ。本当に効果が上がる景気刺激策は、持っているのに使わない人たちを動かすPayPay方式だと提言します。

「日本人全員に10万円プレゼント」はあり?

Q. お祝いムードを高めるために日本人全員に現金10万円プレゼントはどうでしょう?少なくとも気分は最高!全額が消費に回れば10万円以上の経済効果があるのでは?貯金でなく消費させる工夫は永江さん任せで(笑)

これに絡めて、振込先はマイナンバー登録済口座限定にすれば、マイナンバー一気に普及。来年はオリンピック記念で20万円プレゼント。この場合は、キャッシュレスと絡めればそれも一気に普及。費用対効果やインフラ整備費用などと考えれば充分実用的では?

永江さんからの回答

結論から言いますと、ばら撒き政策をしても景気は良くならずお金が無駄になるだけです。20年前くらいに地域振興券を配った時も景気は良くならなかったですよね。

消費を促進して経済を良くするには、日本の先行きが明るくなることを示して消費マインドを高めることと、国民全員ではなく特にお金を持っている層にお金を使わせる対策が必要だと思います。

理由はいくつかあるのですが、まず第一にいくらお金をばら撒いたとしても将来が不安だと貯蓄や借金返済に回るだけで消費されません。今は高齢化社会で日本の大企業の先行きも悪く、子供が減って将来が暗い中ではお金は使われず貯金したりローンを減らすことに充てられるでしょう。

景気って実は人の気持ちの影響も大きくて、アメリカが好景気なのもトランプ政権がメキシコ国境に壁を作り、中国との輸出入を禁止して国内に工場作ったら米国内の雇用が増えて景気は良くなると言って、多くの人が共感して車や家電や家を買っているからじゃないですか(米国内で供給したら原価が高騰してしまうにも関わらず)。

日本が高度経済成長をしていた時も、長く続いていた戦争が終わって、日本列島改造・所得倍増計画が声高に進められ、みんながこれから日本は良くなるんだと勢いよく消費が回り、ベビーブームも起こりました。

なので、例えばですが小泉ジュニアみたいなカリスマ性がある人が総理大臣になって「これから日本は学費も無償になって、女性の働きやすい環境も整って、子供も育てやすくなって経済は絶対に成長する。だからどんどんお金を使ってください、それが日本を盛り上げるんです」って言って引っ張っていったら、それで消費志向が上がって景気は良くなるかもしれません。人の気持ちを盛り上げて前向きにさせることって実はすごく大事です。

そしてもう一つ肝心なのは、お金を持っているけど使っていない人にお金を使ってもらう対策を取ることなんです。

すごくぶっちゃけた話ですが、今ってお金持っている人とそうでない人が二極化しているので、貧乏な人に何万円ばら撒いても酒や煙草やパチンコ店で使われるだけで、ほとんど社会的には効果はでない気がします。100人に1,000円ずつ配って使ってもらうより、お金持ちの1人にどかんと大きな買い物してもらった方が景気は良くなるはず。

良い例が以前ブログに書いたPayPayの100憶円バックのキャンペーンです。あれはお金を配るのではなく、買い物の何割かをクーポンとしてバックするので、お金があって買い物できる人たちが消費する理由を作り出し、昨年12月のテレビの販売台数の伸びなど経済に大きく貢献しています。

しかも付与されたクーポンはそのまま消費になるので補助金撒いて貯金されることもなく確実に消費が増えます。「買い物できない貧乏人には恩恵がない」なんて馬鹿なこと言う人もいますが、買い物できる人に消費してもらわないと経済が循環しません。

長くなりましたが、まとめると景気の刺激策として良いのは「全国民1,000憶円使い切りキャンペーン」などと銘打って、対象期間の買い物は10%がポイントで返ってくるようにする施策だと思います。1億円の不動産を買ったら1000万円もらえるのでかなり消費は拡大するでしょう。実際にできるとは思いませんが…。笑

加えて、奨学金の返済を政府が肩代わりして無償化したりすれば大卒経歴の人が月何万円かの収入増になるため新たに車を買うローンだって組めます。先述のように教育無償化・女性の活躍支援など日本の将来が明るくなるんだとカリスマ政治家などが強く打ち出すことも合わせれば、さらに景況感は良くなるはずだと思います。

image by: Dean Drobot, shutterstock.com

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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