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人気コンサルが斬る。日本にカリスマ経営者が生まれない2つの理由

読者からのどんな質問にもスバッと回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「日本人は優秀だと言う意見もあるが本当にそうですか?」という質問に答えます。永江さんは、この国に蔓延するある風潮のために、平均的には優秀でも飛び抜けた才能は生まれない傾向が続いていると分析。構造的な2つの理由も加わって、日本にはカリスマ経営者が誕生しにくくなっていると解説します。

他国と比べて日本人は果たして優秀なのか

Question

デービットアトキンソンさんなど、日本人は優秀だと言う方が多いですが私はこう思っています。

上記の中で日本人は、勉強をせず、会社から指示されたことを頑張る人、が多いイメージです。他の国は、この層が少なく、世界に通用する人と単純労働しか出来ない人、の層が多いイメージです。

日本人は、少子高齢化が一番の問題ですが、もう一つの多きな問題は、社会人になってから勉強する人が少なく、勉強しても勉強したことに満足して知識だけ増やす人が、多いのが問題だと思っています。教養がある人は多いが世界に通用する優秀な人が少ないイメージです。

永江さんはどう思いますでしょうか?

永江さんからの回答

結論から申しますと日本では飛び抜けて優秀な人が育たない風潮が問題だとわたしは思います。日本人は識字率も高いし学力的な点では全体的に底上げされ粒が揃っていることは確かでしょう。

それとは対照的にアメリカ人はできる人とできない人の格差は激しいですが、代わりに突出して優秀な人というのが存在します。そういった一部の天才的な人が何十万という雇用を生み世界を代表する企業を作っているのだとわたしは思います。

Facebookのマーク・ザッカーバーグやAppleのスティーブ・ジョブズ、Amazonのジェフ・ベゾスなどが良い例でしょう。ソフトを生み出すには天才的なひらめきが大事ですからね。ずば抜けて優秀な人の存在は大きく、そういった天才が日本から出てこないために、この分野で大きく水をあけられてしまったのだとわたしは思います。

一方ハードを作ることに関しては日本人は秀逸で自動車のように1から確実にコツコツと作る能力には長けているといって良いでしょう。今だって日本のロボット産業は世界を席巻しています。工業ロボットを製造しているファナックなんて技術が高すぎて他国は真似すらできなくて一人勝ち(笑)。ただしこの分野でも昔のホンダの本田宗一郎やソニーの盛田昭夫のようなカリスマ経営者が今はなかなか生まれません。

これには2つの理由があると思います。1つは会社のトップに鎮座する爺のおかげで風通しが悪く新しいことをしようにも潰されてしまう。もう1つは、ハード関連のビジネスでは大きな資金を必要とするのに、肝心な投資家が日本には少ないという点です。ハードを永遠に売り続けることは難しいですから、この分野でも体制自体を見直す必要があるとわたしは思います。

社会が変わる必要がある

また質問者さんの言うように日本人は教養がある人ももちろん多いし優秀な人だってたくさんいるのは確かでしょう。しかし群を抜いて優秀だったり独創性がある人が生まれにくいムードが問題だとわたしは思うんです。これは横並び主義を助長した戦後教育の影響も大きいと思います。

本来なら頑張った人とそうでない人との間で格差が生まれるのは当然のことだと思いますが、今は「格差なんてあってはいけない」という空気が充満しています。頑張ったら成功するというビジョンが持てない以上、この風潮はなかなか変化しないでしょう。だから公務員が大人気(笑)。

ちなみにこの風潮は少子化問題にも影響しているはずです。今の日本では子供ができても明るい未来が期待できないと大多数の人が思っています。そんな風潮では子供を作ろうとはなかなか思えないでしょう。それよりも「子供を作ったら豊かになる」とか「子供が生まれても将来困らない」とかそう思えるようになってこそ事態は好転するのではないでしょうか。これからの世代の方にはそこらへんのところ前向きなイメージを持って頑張っていただきたい…できることならわたしだって参戦したいくらい(笑)。

image by: shutterstock

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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