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マネー教育の好機。基本額+必要経費で渡すオススメお小遣い制度

前回「子どものお小遣いどうしてる?」で、なるべく現金で渡すことを推奨し、渡す間隔や管理の仕方についてアドバイスしたメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さん。今回は、「基本額」と「必要経費」に分けることでお金の使い方を学ばせることができると、親のサポート法とともにお小遣いの月額の算出法を伝授。小学1年から高校3年まで各学年ごとの適正額も示しています。

お小遣い制度はマネー教育のチャンス!

前回のメルマガ368号「子どものお小遣いどうする?」では、

をご紹介しました。

今回は、子どものマネー教育で外せない大切なポイントについてお伝えします。

1.親子で確認し、励ます

お小遣いを渡すときには、お金の流れを必ず親子で確認しましょう。子どもがいつ、何のためにお金を使っているのかを親が一緒に確認することで、子ども自身が自分の「お金に関する癖」がわかります。

例えば、好きな物は必要がなくても買ってしまう、お友達にプレゼントするものを買うことが多い、あっという間に全額使ってしまう、などです。

時には、レシートや記録がないこともあるでしょう。お金の帳尻が合わないこともあるでしょう。大人の我々でもあるのですから、そこは大目に見て、「この次は忘れないように記録しよう」と励ましましょう。

お小遣いの範囲内での少額の失敗経験は、将来、高額なお金の失敗を防ぐことにもなるからです。お小遣い日は、叱る日ではなく励ます日に!!

2.親は監査役としてチェック!

親から見て不要と思える物を買っていたり、全部使い切っていたりしても叱りません。お小遣いの範囲内ならば、子どもに任せることです。そして「欲しい物を買うためには、あとどれくらい足りない?」と、子どもが気づくような声かけが効果的です。

お小遣い日を、毎月の監査日として親が確認することは、子どもに気づきを与えるとても効果的な習慣です。気づきを得た子どもは、中高生になる頃には、スマホアプリなどで簡単に自己管理できるようになるでしょう。

3.「基本額」+「必要経費」で管理する

より実践的にお金の価値や使い方を学ぶために、「基本額」+「必要経費」を与えて管理させるのが効果的です。必要経費とは、学校や習い事先などに支払う費用以外で子どもの生活必需品にかかるお金です。

小学生であれば、塾や遊びに行く時の交通費や飲み物代、お友達へのプレゼント代などです。各家庭の生活状況に応じて必要経費を決めましょう。

中高生であれば、更にスマホ・携帯電話代や、遊ぶ時や塾帰りの食費なども必要経費として、基本額と一緒に与えましょう。その合計で「欲しい物」「必要な物」「貯金」に使い道を分けて子ども自身に管理させることが大切です。

家庭教育アドバイス…「柳川流 お小遣い推奨額」

「基本額」に「必要経費」を足した分をひと月のお小遣いとします。

とします。

例1:小学3年生の場合
9歳なので、
「基本額」=9×100で900円
「必要経費」=基本額×1/2=450円→400円
「ひと月のお小遣い」=900+400=1300円

例2:小学6年生の場合
12歳なので、
「基本額」=12×100で1200円
「必要経費」=基本額で1200円
「ひと月のお小遣い」=1200+1200で2400円

「基本額」は全国の「小遣い平均額」とほぼ同じで、欲しい物の購入用に使い、必要経費とは「貯金」や「緊急用」で高額な物を購入する為のほか、いざというときに使うお金です。

例3:中1生の場合
小6生のひと月のお小遣い+100円が基本額です。ですから、
「基本額」=2400円+100円で2500円
「必要経費」=基本額で2500円
「ひと月のお小遣い」=2500+2500で5000円です。

中高生の場合は、1学年上がるごとに基本額を500円増額します。そのため、中2生、中3生のひと月のお小遣いはそれぞれ6000円、7000円になります。高1、高2、高3生はそれぞれ8000円、9000円、10000円になります。

中高生は先述したように、スマホ・携帯電話代金や遊ぶ時のお金、食費、交通費などを合算したものを必要経費としていますが、部活の遠征費が増えたり、高額な参考書類の購入が必要だったりするなど、予算通りにいかない場合もあるでしょう。理由が適正であれば、追加で必要経費を与えるなど、親子で話しあうことをオススメします。

また、高校生になる頃には、全ての管理を子ども自身に任せるようにすれば、大学生や社会人になって独り暮らしを始めた際にも仕送りとアルバイト収入でお金を自分で管理することが期待できます。

参考までに2019年のお小遣い平均額を記載します。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(2019年)より

image by: shutterstock

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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