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乱れてしまった子どもの生活習慣。元に戻すための親のサポート法

新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたこともあり、徐々に学校も再開されてきましたが、まだ1日おきや全面的な休校が続いている地域もあります。長い休校期間で夜更しなど、子どもの生活が乱れていることを心配する親御さんも多いようです。そこで、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の柳川由紀さんが、サポート方法をアドバイス。大切なのは、長い目で見て、決して押し付けないことのようです。

乱れた生活習慣から脱するには?

Question

休校になって以来、夜更かしが増え、朝起きられません。スマホに向かう時間も非常に増え、家族と顔を合わせない時もあるほどです。生活が乱れているのがとても気になります。何度言っても言うことを聞きません。(中1、3女子のお母様より)

柳川さんからの回答

緊急事態宣言が延長され、思春期のお子様がいらっしゃるご家庭では、特に乱れがちです。生活の乱れを直すためにできるサポートをお伝えします。

1.やめたい場合は手間を増やす

一度怠けるのが癖になると、生活習慣を変えるのは至難の業。そこで、やめたいことがあるのならば、その手間を増やすことです。

例えば、スマホに触る時間を減らしたいのであれば、スマホの置き場所を玄関、本棚の一番上など、簡単には取れないような場所にします。そうすれば、いつも手元に置いておくのに比べて、スマホを手にする回数はずいぶん減ります。

また、スマホにゲームなどのアプリがあるなら、その対策もしましょう。何度もスワイプしないと出てこないようなフォルダの奥にしまい、そのアプリを開くまでに手間がかかるようします。そうするだけでも、そのアプリに手をつける回数が減ります。

2.ルールを決める

生活習慣をつけるためのルールを決めましょう。ルールは、自分がやってこなかったことで、なおかつ無理せずに守れそうなハードルの低いものがお勧めです。

例えば、睡眠リズムを戻すためには、まずは以下の3つを実践しましょう。

など、子どもと一緒に生活習慣を考えつつ、ルールを子どもに決めさせましょう。

3.週4回と8週間

決めたルールを習慣化するためのポイントがあります。ビクトリア大学の研究によると、「週4回行えば習慣化しやすい」という結果があります。
Exercise habit formation in new gym members: a longitudinal study. – PubMed – NCBI

一方、ロンドン大学の研究によると、「60日続ければ習慣化できる」という結果があります。
How are habits formed: Modelling habit formation in the real world – Lally – 2010 – European Journal of Social Psychology – Wiley Online Library

ですから新しいことを習慣化したいのならば週4回、2ヶ月(8週間)を目標にしましょう。(参照:内山真著 「睡眠のはなし」、厚生労働省 「e-ヘルスネット」)

家庭教育アドバイス…「長い目で見ることの大切さ」

習慣を変えることはとても労力がいります。禁煙やダイエットに失敗した方も多いと思います。習慣を変えるのが難しい良い例です。

子どもの習慣を変えるのは、親のサポートがあればそれほど大変ではありません。ただし、「親の押し付け」ではうまくいきません。一方的に強制するのではなく、提案の形で上手に説得するという姿勢が大切です。そして、その行動に伴走することです。

例えば、セールスマンがモノを売ろうとするときどんなメリットがあるか伝え、納得してもらいます。恋人に振り向いてもらいたいとき、相手をその気にさせるためにあらゆる努力をします。子どもと向き合うときにそれをしないのは、「自分は親なんだ」という「甘え」があるのです。親の言うことは聞いて当たり前、という思いがあるのです。

その思いを捨て、個人として尊重して向き合い、失敗を重ねながらも、子どもの行動が変化するよう工夫しつつサポートしましょう。前回もお伝えしましたが、10代は自立心も反抗心もある多感な時期です。以下の3つのポイントを心がけて伴走しましょう。

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image by: shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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