シンプルかつ確実に仕事のヒントが得られる方法があるのなら、積極的に取り入れたいと思う方がほとんどではないでしょうか。そんな訓練法を紹介しているのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で今回、どんな職種にも共通して使える「置き換え思考法」をレクチャーしています。
置き換え思考法
販売員としての学び方にはいろんな方法が存在していますが、どんな仕事にでも使えると私が思っている思考法があります。置き換え思考法というものです。私は日頃からこの思考法で物事を見るようにしているため、仕事へのヒントが常に手に入る状態になっています。
置き換え思考法というのは、やることはとてもシンプルなことです。「自分の仕事に置き換えるとどうなるか」を考える。たったこれだけのことです。これだけのことなのに、どんなことからでも仕事のヒントが得られるようになるのですね。
実はこれ、多くの人が自然と知っていることなのに、できる人は案外多くないことでもあります。
例えば、先日も少し書きましたが、営業マンの仕事の仕方というのは、販売員にとって役立つことがかなりあります。クロージングの仕方であったり、お客様と初対面の時にどんな話題から入るかみたいなこともそうです。
こうした仕事の仕方、ノウハウのようなものは、ちょっと調べればそれはもう腐るほどあるとわかります。ネットで調べるだけでもたくさん出てきますし、本なんかも数え切れないほど売っています。
こうした仕事の仕方やノウハウを知って、「じゃあ自分が接客している時に置き換えるとどんな風になるだろうか?」と考える。これだけで、「初めましての時はこんな風に自己紹介をしてみればいいかもしれない」「お客様が悩んでいる時は、こういう商品の見せ方をすればいいかもしれない」というヒントが見えてくるわけです。
「当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、でもこの感覚になれる人というのはそう多くはありません。大多数の人は、「営業のノウハウね。じゃあうちの店の接客とは違うんだね」とよく考えもせずに情報を排除してしまうのです。
これは本当に起こっていることで、例えば、食物販の販売ノウハウをアパレルの販売員に教えても、「うちはアパレルだから違いますね」と最初から相手にしないようなことがあります。その食物販のノウハウには、アパレルでも役に立つようなことがたくさんあるのに、最初から「違うから」と受け取る意識がないのです。
こういう感覚になっている販売員や会社をこれまで幾度となく見てきました。そんなことするわけないと思われる人もいるでしょうが、ほとんどの人はそんなもんなんです。
「うちと同じような店の事例を教えてください」と言う割に、どんなヒントを与えられても、「いやそれはうちではちょっと…」などと平気で言います。最初から自分の仕事にそのまま使える答えを求めるような人が本当に多いのです。その答えを持っているのは、その店で働く人でしかあり得ないのに、それすらもわからなくなっているのでしょう。
だから、どんな情報でも自分の仕事に置き換えて考えるという置き換え思考法を意識することが大事なんですね。
自分で考えられなくなった販売員は、今後はもう求められなくなる時代です。そうならないようにするためも、常に自分で考える頭を持ちたいものです。
今日の質問です。
- 自分の仕事とは全く違う業界の仕事の仕方を何か探してみましょう(アパレル業界ならば飲食業界の仕事の仕方など)
- その仕事の仕方を自分の仕事に置き換えて使うとしたら、どんな風に使えますか?
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