数にして1億3,500万人あまり、実に成人人口の半数以上が必要回数のコロナワクチン接種を終えているアメリカですが、さらにその上積みを目指すべく、さまざまな自治体が施策を講じていることをご存知でしょうか。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』ではNY在住人気ブロガーのりばてぃさんが、オハイオ州等で行われたユニークなキャンペーンを紹介。りばてぃさんは「文化的な違いがあるため日本で効果が上がるか否かは定かではない」としていますが、参考にする価値は十分ありそうです。
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今週の気になるニュース
(1)オハイオ州でワクチン接種したら本当に1億円があたった!
● Ohio’s first Vax-a-Million winners announced: Who won $1 million vaccine lottery?
アメリカでは成人人口の半数以上がすでにワクチン接種を終了していますが、より多くの人々にワクチンを接種してもらうため様々な対策がされています。
例えば、オハイオ州の1億円当たるというキャンペーン。
期間限定で毎週1人、ワクチンを1回でも接種した人から抽選で1億円があたるというものです。ワクチン長者になれるチャンス!
で、ついに1人目の発表がありまして、22歳の女性が当選しニュースになっています。
300万人近く申し込みがあった中での当選で、最初は冗談かと思ったし、親に話しても騙されていないの?と心配されたそうですが本当だったと驚いています。
ちなみに使い道は、新しい車の購入と一部寄付と、投資に回すとのこと。博士課程も目指しているそうなのでそれらの学費などに充てるのでしょう。
それにしても、上記リンクはオハイオの地元メディアの記事なんですが、街の皆さんのインタビューを聞くと、田舎に突如ミリオネアが誕生した!という具合に祝福していてほのぼのします。
加えて、大学費用を全額免除という抽選もあり、男の子が当たりました。
(2)効果的なのは宝くじ
オハイオ以外にも抽選で大金があたるとか、NYでもハンバーガーや地下鉄無料チケットがもらえるといった様々な特権が出ていますが、結局のところ、効果的にはのは、こうした宝くじなどの現金なんだそうです。
実際、オハイオの1億円抽選には300万人もの人が申し込んでいます。
1億円までいかなくても、NYではワクチン受けると必ずもらえる地下鉄チケットも良い効果があったようです。
おそらく、日々の生活で使うことが具体的に想像できるものが良いのかもしれません。
日本でもワクチン接種に様々な理由から後ろ向きな人々はけっこういるので、こういった特権はあったらいいのかなと思いますが、文化的な違いがあるので、果たして日本でも効果的かというと、難しいかもしれませんので、アメリカでの事例としてご参考まで。
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ついに完成、小さな島公園
ニューヨークにまたまた新しい公園がオープンしました!その名も「リトル・アイランド」(小さな島)です。
この公園、2014年に建設計画が発表されたのですが、今年ようやく完成したものなのです。
場所は、マンハッタンの西端の14丁目の川沿いの古い桟橋の上。
特別なチューリップ型の基盤を使ったものでそのユニークなデザインが大きく話題になっています。
ご参考:
● New York City’s Little Island Park is Now Open to the Public
2014年に建設発表があり、実に7年越しの完成でしたが、なぜそんなに時間がかかったかというと、技術的な難しさはもちろんのこと、環境への影響など検証する必要もあったから。実際、環境保全団体からの建設反対意見などもでていました。
なぜそんなに難しいデザインの公園を建設しようと思ったのか?それには事情があったのです。
もともとは使われていない桟橋を改装して他の桟橋公園と同じようなデザインで作る予定でしたが、2012年にハリケーン・サンディが襲来。
ニューヨークは大停電となり、川沿いの建物は床下浸水するなどの大きな被害がありました。そのとき桟橋もかなりの打撃を受けました。
将来的にまた水害があるかもしれませんし、破損した桟橋の修復も必要です。
安全と公園としての機能など織り込みサンディから2年後に発表されたのが、これまでになかったタイプの、まさに常識を覆すような公園だったのです。
川の水面から4メートルの高さに作る公園。桟橋の先と川の水面にまるで浮遊しているかのようで、発表当時は「宝島」と呼ばれ、ものすごく話題になりました。
ご参考:
● NYに「宝島」(treasure island)建設計画 – しかも予算1億3,000万ドルの大半を大富豪が寄付!!!
その後、上述したように技術的な問題や地元住民からの許可、環境保全団体との協議もあり、無事に関係各所から許可が下りて2016年に建設が開始。
当初の完成予定は2018年でしたが、なんやかんやと遅れて、今年、ようやく完成したわけなのです。
正直、すっかり忘れてましたが(笑)、コロナ禍でも地道に建設が進められていたのかと思うと感慨深いです。関係者の方々のご苦労を労いたい気持ちになります。
ちなみにこの公園はニューヨーク市管轄ですが、建設費用のほとんどである2億6,000万ドルは、実業家であり、世界的に有名なファッションデザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグの旦那様のバリー・ディラーさんが寄付。
しかも、この先20年間の公園の維持管理費も寄付するそうです。
公園は誰でも無料で入れますが、コロナ禍ということで人数制限があり、事前にチケットの予約が必要です。
かなり大人気でオープンすぐのチケットは完売。6月半ばのチケットが取れたので、取材してきましたらまたご報告したいと思います。
ご参考:
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image by: Ringo Chiu / Shutterstock.com