今や多くの企業やショップが発行しているメールマガジンですが、ちょっとした工夫を加えるだけさらに売上に貢献してくれる大きな存在になってくれるかもしれません。2007年の創刊以来、14年に渡り無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』を発行し続けてきた経営コンサルタントの梅本泰則さんは今回、メルマガでファンを増やす方法をレクチャー。そのために発行者が決めておくべきことや書くべき内容を伝授しています。
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メルマガでECショップの売上を伸ばす
私のメルマガについて話をして欲しいというので、コンサル仲間の人たちにノウハウを披露しました。皆さん、私がどうして14年間も毎週違ったテーマで発行し続けられるのか、興味があったようです。それなりのコツはありますが、今回はあなたのお店の役に立つお話をしましょう。
コロナ禍の影響もあってでしょうか、スポーツショップもECでの売上が増えているという話をよく聞きます。ところが、そんなお店も、メルマガを出しているところはそれほど多くはありません。仮に出していても、商品紹介だけのメルマガになってしまっています。これでは、勿体ないです。
あなたのお店もメルマガを出しています。そこで、今一度メルマガについて整理をしておきましょう。
メルマガは、もちろんその内容や文章の書き方も大切です。しかし、最も大切なのは、メルマガを発行する目的をはっきりとすることです。
以前、このメルマガ596号で、「ヤッホーブルーイング」の話をしました。
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ヤッホーブルーイングの業績が悪化して窮地に陥った時、助けてくれたのがメルマガでした。そのヤッホーブルーイングのメルマガの目的は、会社や商品のファンを増やすことにありました。しかも、メルマガでヤミクモに商品を宣伝することはありません。いかにお客様と親しい関係になるかに、力を置いています。そんなメルマガを通じてファンが急増し、業績も急回復していきました。
このように、メルマガはファンをつかむことができるツールです。ですから、あなたのメルマガも「ファンを増やす」ことを目的にしてはどうでしょう。
ファンを増やす
では、どんな内容にしたら、お客様をファンにすることができるでしょうか。
実は、内容を決める前にしておくことがあります。それは、「読み手」を決めることです。あなたのお店のメルマガは、どんな人に読んで欲しいと思っていますか。まさか、誰でもよいとは考えていませんよね。例えば、こんな「読み手」が考えられます。
- 少しでもうまくなりたいと思っている部活の少年少女
- 健康や体力増強のためにスポーツをしている愛好者
- 全国レベルの大会に出場したいと思っているアスリート
いずれにしても、誰か一人をイメージして、決めることです。そうすると、メルマガが書きやすくなります。いつもその人に向かって語り続けることができるからです。
そして、メルマガを書く担当者を一人に決める必要はありません。何人かの人たちが交代で書いていけば、より多くのファンをつかむことができます。
また、書き手に何かニックネームをつけると、より親しみが感じられるでしょう。例えば、
- 店長の座を狙っている○○
- カラオケ大好き○○
- 鉄道マニアの○○
といったように。そうすれば、メルマガの最初のあいさつに、
「こんにちは、店長の座を狙っている○○で~す」
とかなんとか書けば、親しみを持ってもらえます。
さて、読み手が決まれば書く各内容が決まると言いました。私は、次の3つの内容に絞ることを勧めます。
- 読み手の役に立つ情報
- お店に関する情報
- 書き手に関する情報
これならば、メルマガのテーマに悩むことはありません。
メルマガのテーマ
例えば、「読み手に役に立つ情報」ならば、
- 自分に合ったシューズの選び方、伝授!
- グラブを新しくしたら守備が上手になった
- 試合でビビらない方法があった
などといった内容はどうでしょう。
また、「お店に関する情報」ならば、
- こんなユニークなスタッフがいます
- サッカーコーナーの面白いPOPです
- SDGsをテーマにしたコーナー新設!
「書き手に関する情報」ならば、
- 渋谷に行ったら、こんな発見をしました
- 自分の息子が野球を始めました
- お店でこんな失敗をしてしまいました
と言った感じです。このように、いくらでもテーマを思いつくのではないでしょうか。
そして、テーマは気がついたときにメモをしておくと良いです。お店でお客様と話している時にもテーマが浮かんできます。メルマガやSNSのコメントやレビューなどからもテーマは見つかります。ニュースや雑誌からでもヒントがあるかもしれません。
さらに言えば、文章のスタイルにも工夫をすると良いです。例えば、読み手に話しかけるように書きます。まるで、書き手の友人か知人かのように。また、文章はダラダラと長く書かないことです。短く区切って書くと、読み手に伝わります。
このようなことに気を付けながら、ヤッホーブルーイングのようにメルマガでファンを増やし、ECショップの売上を伸ばしていきましょう。くれぐれも、商品の画像と価格だけが紹介してあるメルマガだけにはしないように願います。
■今日のツボ■
- メルマガは、その目的をはっきりさせることが重要
- メルマガは、ファンを増やすことの出来るツールである
- 内容を絞れば、いくらでもテーマを考えることができる
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