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不毛な争いを回避。公証役場で遺言状を作ると費用はいくら掛かるのか?

2012年には流行語大賞でトップテンに選出され、今やすっかり市民権を得たと言っても過言ではない「終活」という言葉。その一環として遺言状の作成に関心を持つ若い世代も増えているようですが、一体どれほどの費用がかかるものなのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、先日遺言状作成を終えたというジャーナリストの上杉隆さんが、顧問弁護士に手続きを依頼せず公証役場に出向いた理由を綴るとともに、政令で定められている作成料や手数料について詳しく紹介しています。

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遺言状を作ってみた~費用とその効用

遺言状を作ってみた。齢53。地震、雷、火事、コロナ…。人生、何があるかわからない。

知人が死んでいくと死が身近に感じられるものだ。ニューヨークタイムズ時代、毎日のように意見交換をしていた外交評論家の岡本行夫さんが逝った。幼き頃、同じ団地に住んでいたKが家族もろとも逝った。中学同級生の美容師のHと運動神経抜群だったがうるさいMが相次いで逝った。鳩山事務所の同僚だったKさんも逝った。

そして、石原慎太郎さんが逝った。20年前、都庁記者クラブを開放し、私自身のジャーナリスト・デビューのきっかけになった処女作の執筆を認めてくれた人…。そうか、人は死ぬんだ。改めて思った。

久しぶりに『平家物語』を読んでいる。世の中は無常であり、盛者は必ず滅びるというのは、この古典が教えてくれた。少年時代は現実感がなかった。まだまだ人生は長いし、夢もある。平家の栄華と滅亡は圧倒的に自分のものではなかったからだ。

しかし、今は違う。栄華はなかったが、自らの滅びは必ずやってくる。これが歳を取るということなのか。いや、もしかしたら、3年前の得度以来修めつつある承認欲求の滅減、そこからくる諦観のようなものなのか。

まぁ、理由はどちらでもいいじゃないか――。そんなことを思い巡らせながら近所の公証役場に向かった。

遺言状の作成にはお金がかかる。遺言者の財産額や遺産を分配する人数にもよるが数万円になる。弁護士や司法書士、行政書士にも依頼できるが、公証人よりも高額になることが多い。私も、自身の顧問弁護士などではなく、公証人に依頼した。

公証役場に出向いての遺言状作成がお勧めするのは、政令で遺言作成料や手数料などが定められているからだ。

たとえば、相続する遺産額が500万円未満だと手数料1万1,000円、3,000万円未満だと2万3,000円、1億円未満だと4万3,000円といった具合だ。10億円を超えるとベースの24万9,000円に、遺産額が5,000万円増えるごとの手数料8,000円が加算される仕組みになっている。もしかして、100億円を超える遺産となると弁護士の方が安くなるかもしれない。

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注意が必要なのは、相続する者一人当たりに手数料が加算されるため、相続者の人数が多いと当然に高額になってくるということだ。たとえば、遺産額10億円で、相続対象者が10人(者)いたとしたら、手数料は4万3,000円×10人分の43万円にもなる。

このほかに、公証人への作成料1万1,000円(一通あたり)、2名の証人(確定時に公証人が読み上げて、サインをする)への手当としてひとり1万円前後が必要となる。

平清盛の時代と違って、現代は、自らの死後にしか必要でない遺言状にもお金がかかる時代なのだ。だが、それでも遺言状は作っておいた方がいいだろう。後に遺された者たちの不毛な紛争を避けるために、ということももちろん大事だが、なにより、自らの今生での心の安寧をもたらすのに遺言状は大きな働きをしてくれる。

しょせん、人生は胡蝶の夢。死は誰にでも共通に訪れる。それが太政大臣であろうが、都知事であろうが例外はない。遺言状の作成は、自らの人生の軌跡と未来を改めて認識させてくれる機会となるだろう。

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image by: Shutterstock.com

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