話すのが苦手でもOK。人気ノンフィクション作家が伝授、コミュ力を高める「5つの方法」

 

コミュニケーション力を高める5つの方法

方法1 お互いがつながるテーマを設定する

人との付き合いの中で、ときに「私たちの仲なのに、どうして言ってくれなかったの?言ってほしかった」ということを思ったり、言われたりすることがあると思います。これはお互いの価値観の違いから生じるものですが、この発言をした人は、相手とは相当深いコミュニケーションが取れていると思っていたわけです。

しかし、悩みを共有し、言いにくいことを打ち明けることだけが深い人間関係ではありません。素晴らしい人間関係において重要なのは、「テーマ」を共有することです。

他人との人間関係が生じる場所はいたるところにあります。会社や学校、部活動、サークルや習い事、インターネット上で知り合うこともあるでしょう。その中で、今ここで私たちが分かち合うテーマはなんだろうと探し、すり合わせ、高めるのです。

たとえば、茶道を習いに行くとします。そこにはお茶というテーマのもと、さまざまな理由で人が集まってきています。茶道という深遠な世界を舞台に、そこには多種多様な会話が生まれます。私も何度か茶会に参加した際、そこで出会った人たちからいろいろなことを学びました。千利休や彼が仕えた豊臣秀吉のこと、戦国時代や安土桃山時代のこと、抹茶のこと、何も削るものがないというところまで無駄を省き、朽ち果てていく様すら美しいと考えた「わび・さび」という観念、様式美、器、花、菓子、水と、次から次へ話題が尽きることはありませんでした。

また、私自身は、正式に茶道を習ったことがないことを話し、それでも茶道にひかれる理由や、抹茶が大好きなこと、ときどきポットからお湯を落としてマイ茶碗で抹茶を飲んでいること、などを伝えました。お茶というテーマを持ったことで、お互いを知っていくことができたのです。お互いがつながるテーマを共有することは、「互いを結ぶ絆」「心の通いあい」を実感することにつながります。
つまり、自分の内なる傷をどれだけさらけ出したかが、絆の強さというわけではないのです。ぜひ、人に会うときにはテーマを持ってください。どんなテーマでも、自分の心持ち一つで、高度なコミュニケーションは実現できると思います。

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