話すのが苦手でもOK。人気ノンフィクション作家が伝授、コミュ力を高める「5つの方法」

 

方法2 会話が苦手な人は、話し上手な人のマネから始める

私が仕事を通して大切に思い、日々修練している「聞く」技術。これまでそれを中心に見てきましたが、ここで、あらためて「話す」力についても考えてみましょう。

「話す」のが苦手な人は、まず模倣することから始めてみるとよいと思います。学校や会社で、話し上手といわれる人が必ずいるでしょう。そうした人をじっくり観察して、まずその話す態度や話題の構成、表情などを模倣する。学びはマネから、です。

また、常套句を知ることも話す上での安心感になります。会社のミーティングや学校の行事では、いわゆる決まり文句があるものです。「本日はお忙しい中、お集まりくださってありがとうございます」とか「本日は私が司会進行を務めさせていただきます」とか、決まりきった文言ですが、スムーズな会話の進行には不可欠です。こうした常套句を活用すれば、その後、自分の意見や考えを話しやすくなるはずです。

もしも、話すことが不得手だと自覚しているなら、話す内容を原稿にして用意すべきです。完璧な文章でなく、箇条書きでもかまいません。少なくとも頭の中が整理され、あがって頭が真っ白になっても、原稿や箇条書きのメモに目を落とすことで、気持ちを落ち着かせることができます。原稿を用意したら、それを持って読めばいいのです。きちんと落ち着いて伝わるように読む。ときどきは目を上げ、わからなくなったら原稿に目を落とします。

その繰り返しで自分の思考が明確になってきますし、だんだん原稿以上の思いが生まれてきて、新たな思いを加えたくなってきます。自分が思い描いてきたことが言葉、もしくはある情景になって浮かんできたら、それを伝えればいいのです。
最初はとにかく模倣を繰り返し、話すための形式を学ぶこと。そして、時間をかけて話す内容を整理し、書き留める。そうした努力から、必ず自分にしかない話や話し方が完成します。それこそが個性になるのです。

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