「探偵が調査する相手」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは浮気相手や不倫相手でしょう。しかし実際の現場では、調査対象が家族や親族といった「身内」になるケースも少なくありません。現役探偵の後藤啓佑さんは、自身のメルマガ『探偵の視点』で、婚前調査や身元調査だけではない、「身内が対象者になる調査」の実情についてお話しします。
身内が対象者になる調査
浮気調査では、「対象者」というのは配偶者です。
婚前調査では、対象者は息子さんや娘さんになることがあります。いわゆる「身内」が対象者になる調査ですね。
では、婚前調査や身元調査以外に、身内が対象者になる調査は他にもあるのでしょうか。
実は、行動調査や盗聴、GPS発見調査においても、身内が対象者になるケースは決して少なくありません。
その代表的なパターンが、会社の事業承継をめぐるトラブルです。
家族や親族で会社を経営しており、それを息子に引き継ごうとしたものの、主に金銭的な問題や考え方の違いから、親子間で深刻な対立が生まれてしまうケースです。
この場合
- 親御さんが依頼者で、息子さんが対象者になるケース
- 息子さんが依頼者で、親御さんが対象者になるケース
その両方があります。
では、具体的にどのような調査を行うのかというと、多いのは 盗聴器発見調査やGPS発見調査。
つまり
- 自分や家族の身の回り
- 自宅
- 車
などに、盗聴器やGPSが仕掛けられていないかを徹底的に調べる調査です。
実際のところ、こういった調査で本当に盗聴器やGPSが発見されるケースはかなり稀です。
それでも依頼が来るということは、それほど‘’精神的に‘’追い込まれている、ということでもあります。
なので、こういった調査における本質は、「盗聴器やGPSを見つけること」そのものではなく
- 何故「盗聴されている」と思ったのか
- 何故「監視されている」と感じたのか
そこを丁寧にヒアリングし、悩みの根本原因を見つけていくことが重要になります。
そして、探偵の調査で解決できる問題であれば解決する。
心理的な問題や、別の専門知識が必要であれば、適切な専門家を紹介する。
そうやって、問題の根本解決を目指していきます。
もちろん、調査を進める中で実際に不正や隠し事が見つかるケースもあります。
先日あった依頼では、息子さんからの依頼でお父さんの行動調査を行った結果、息子さんにとって不利益となる事実を、お父さんが意図的に隠していたことが判明しました。
当然、息子さんは激怒し、話し合いの場を設けることになりました。
そのような場合、僕たち探偵も話し合いの場に同行することはありますが、交渉そのものは専門外です。
なのでこのパターンのときは、弁護士さんに同席してもらい
- 事前の打ち合わせや作戦立案
- 示談や着地点のシナリオ作り
こういった部分に探偵として関わっていきます。
これが探偵の仕事かどうかは分かりませんが、トラブル解決の仕事であることは間違いない!
正直なところ、当日のヒリヒリとした、緊迫感のある話し合いの現場には、何年この仕事をしていても慣れることはありません。。。
それでも、「問題の核心に触れる現場」に立ち会うことが、この探偵という仕事の重要な側面なのだと思います。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
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