中国で相次ぐ軍幹部の失脚。これは単なる人事刷新や反腐敗運動の延長として片付けられるものではなく、中国共産党と人民解放軍の関係性に、何らかの変化が生じている可能性を示唆しているのではないでしょうか。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、1月25日付の香港サウスチャイナモーニングポスト紙の記事を抜粋し、今回の粛清が何を意味するのか、そしてそれが習近平体制の安定性と軍統制に与える影響について考察しています。
中国、軍幹部の粛清が示すもの
中国で習近平、国家主席に次ぐ地位にあった張氏と、劉氏の2人が同時に失脚しました。
何が起こったのでしょうか?
「クーデター未遂」や「米国への核技術流出」といった報道があります。
習近平と軍との間に深刻な事態が発生しているのでしょうか?
有力紙、香港サウスチャイナモーニングポスト紙1月25日の記事をみて見ましょう。
記事抜粋
習近平の広範な反腐敗運動は、2023年以降さらに激化している。
これまでに、人民解放軍ロケット軍司令官、準軍事組織である人民武装警察の指導者、戦区司令官など、数多くの高官が失脚した。
シンガポールのS・ラジャラトナム国際研究大学院のジェームズ・チャー准教授は、張氏を対象としたことで、習近平氏がようやく一部の人民解放軍ウォッチャーからの批判に応えたと指摘した。
その批判とは「軍部の不正に対する彼の反汚職運動は選択的なものだ」というものであり、彼と親密な関係にある者たちは「明らかに免責されている」というものだ。
チャー氏によれば、軍内部に懸念が広がる中、北京が人民解放軍の士気安定化に注力しているため、さらなる逮捕が予想されるとの事だ。
解説
「習近平は親しい人を特別扱いしている」という批判が軍内部にあったというのです。
今回、昔からの友人である張氏、劉氏を追放した事によって「公正に反腐敗運動を進めている」という強いメッセージを送ったというのです。
チャー氏は「人民解放軍にいる張氏や劉氏の支持者も、慎重に行動し、最高司令官とその軍事政策への支持を積極的に表明するだろう」と述べています。
今回の政変は、習近平の人民解放軍への影響力低下を示すものではなく、さらなる強化を示すものであるようです。
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