不快になるだけで誰も得しない「マウンティング」。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、部下のマウンティングにお困りの方の相談に回答しています。
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10年下の部下がマウンティングしてきます。まともに相手をするのもバカバカしいのですが、どうしたらいいでしょうか
Question
機械メーカーに入社15年で、主任です。10年年下の部下がマウンティングしてきます。上司を馬鹿にした発言、自分は賢い、よくできるという発言、態度がときどきあって不愉快です。
仕事はそこそこできますが、特に活躍しているというほどでもないので、どういう勘違いをしているのかと思います。まともに相手をしたくないのですが、どうしたらいいでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。残念な部下ですね。そういうふうに自分を大きく見せて自己肯定感の低さを補っているのでしょう。お考えの通り、相手にしないのが一番ですが、ほっておくとエスカレートしてもっと馬鹿にしてきたり、自分の自慢がひどくなったりします。
同僚にもそういう態度を取っているはずです。彼の態度の悪さ、思い違いを放置する上司ということで他の部下の信頼も傷つけられるので、無視できません。
一番いいのは、業績・成長目標合意書を導入し、部下全員の長所・成長課題・成長目標・改善策についてフィードバックし、合意し、取り組むことです。
彼だけに実施するわけにはいきませんので、これを機会に部署で導入します。
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たまたま3年前の仕事がうまくいったとか、前の上司が彼を甘やかせたかもしれないので、できれば前の上司に話を聞いてみます。何か勘違いさせた可能性があります。
前の上司に聞いても、もともと自己評価が過大だったとすると、今回ガツンと言うしかありません。
ただし、長所7~8点をていねいに記入し、それなのにもったいない点を成長課題として4~5点記入します。成長課題は、たとえば次のように表現します。
・自分は賢い、よくできるという気持ちが強すぎ、上司を含む周囲の人にマウンティングするのは大変にもったいない
・特に、意識していないかもしれないが、上司を馬鹿にしたような発言は、誰にとってもいいことはないのでやめたほうがよい
・過去に成果があったかもしれないが、今後仕事の難易度はさらに上がっていく。自信を持ちすぎると成長のブレーキになりがちなので注意したほうがよい
・感情的になることが多く、声を荒げることが頻繁に見られている
こういうフィードバックを受けたことはほとんどないはずなので、ショックを受けるか、逆上して反撃してくるか、どちらかだと思います。
ただ、それに負けることなく、淡々と事実に基づいて問題点を伝えます。本人が言いたいことがあれば、しっかり全部聞きます。
そういうふうに受けとめてもらったこともほとんどないと思いますので、最初は逆上していても、20~30分聞いていれば落ち着いてきます。
これ以上追い詰めることなく、いったんそこでその日はおしまいにして、3日後などに再度10分ほど面談をするとよいかと思います。
劇薬ではありますが、効果はてきめんですので、ぜひこの正攻法にチャレンジしてみてください。
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