MAG2 NEWS MENU

Legal office of lawyers, justice and law concept : Retro balance scale of justice on a desk in a courtroom, depicting giving fair and objective consideration to all evidence, without showing bias.

自業自得か。公務員襲撃事件の遺族が文在寅に叩きつけた告発状

2020年に起きた西海(黄海)公務員故イ・デジュン氏襲撃事件に関して書面調査を通知された文在寅元大統領が「非常に無礼」と発言したことで、事態はさらに大きく動きました。韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』では、遺族である被害者の妻が語った記事を引用してその動きを解説しています。

文在寅元大統領が「非常に無礼」と不快感。どの口が無礼と言うのか?

2020年西海(黄海)公務員故イ・デジュン氏襲撃事件と関連して監査院が書面調査を通知したことに対して文在寅元大統領が「非常に無礼」と不快感を示した。これに対してイ・デジュン氏の妻クォン・ヨンミ氏は「先送りしてきた文前大統領告発を操り上げることにした」と5日明らかにした。

クォン・ヨンミ氏は「これまで前職大統領礼遇の次元で告発を我慢してきたが、遺族要請でなされた正当な調査要求が『無礼』ならば文前大統領に(検察に)出頭して発言する機会を与える」としてこのように話した。以下は記者(中央日報)との一問一答。

――民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員が文元大統領に監査院の書面調査関連報告をすると、文元大統領は「大変無礼なことだ」と言ったようだが…

「監査院の監査と検察捜査は遺族である私たちが要請したものだ。そのため、法と手続きに従って真相究明が進められている。私たちはこれを見守りながら、やっと日常に戻ろうと努力しているが、民主党が再び政争化に乗り出した。民主党には夫の死に対して一度も遺憾の意を表したり謝罪をした人がいない。国民の税金で働く人々が文在寅とイ・ジェミョンを守るだけで、本当に守らなければならない私たちのような国民は崖っぷちに追い込んでいる」

――監査院は1993年に盧泰愚(ノ・テウ)、98年に金泳三(キム・ヨンサム)元大統領に書面調査を行ったことがある。しかし民主党は文前大統領とは「全く事例が違う」といっているが

「何が違うというのか。同じ大韓民国の国民であるわたしの夫が亡くなり、(子にとって)父親が死んだことほど大きなことはないのではないだろうか。それに対する真実を知らせてほしいと監査院に調査を要請したことに対して『事例が違う』ということは国民の死を無視し見下すことだ。国のために働いた公務員をこのように扱うなら、誰が国家に忠誠を尽くして働くだろうか。夫の死を文字通り『犬死』にする話だけを続けている」

――文前大統領と民主党に手紙を書いたことのある息子はどう見ているのか

「息子が私に『監査院がなんで政治によって動くというのか。そんなことはありえない。私たちが要請したから調査するんじゃないですか』と言っていた。息子は政治報復だの反北風(反北朝鮮の立場)といった言葉を一番聞きたくなく、ストレスを受けている」

 

――民主党のイ・ジェミョン代表が監査院の文前大統領書面調査に対して「維新恐怖政治が連想される」と話した(筆者注:維新恐怖政治とは、パク・チョンヒの軍事政権時代のことをいっている)

「李在明代表がそのようなことを言う資格がある人なのか。ニュースを見ると、彼は(大庄洞、城南FC後援金不正使途など)途方もない事件に関わっていたが、今誰が誰にものを言っているのか。良心が一つもないのではないか。もう口を閉じてほしい。率直に言って、私は彼(李在明)が人間に見えない」(筆者注:クォン夫人の考えは全く正しい)

――監査院の調査がほぼ完了したようだ。叙勲(ソ・フン)国家安保室長(当時)が核心に挙げられた。どう見るか

「私たちが疑ってきた通りに調査が進んでいるようだ。前職であれ現職大統領であれ誤った部分があれば事実通りに話せば良いことだが、文元大統領は『無礼だ』として拒否した」

――対応するつもりか

「文前大統領を早々に告発しても(わたしたちは)納得はできない気持ちだけれど、それでも前職大統領を礼遇する次元で告発を先送りし、捜査を見守るとして今まで告発してこなかった。しかし(文在寅はそれを無礼と言った)、監査院の書面質疑要求がそれほど無礼なのなら、文前大統領に正式に(検察に)直接出頭して発言する機会を与えることが望ましいと思う」

――文前大統領を告発するのか

「しなければなりません。私たちはそれでも朴智元(パク・チウォン)元国情院長の召喚がなされれば、それを受けて文元大統領を告発しようと考えてきた。そのように私たちはそれなりに前職大統領に対する礼遇をしてきたのだ。ところが文前大統領がそんなことも知らずに『無礼だ』と言う。どっかのだれかさんみたいに自分が最高尊厳だと勘違いしているのではないか。法の上に、国民の上に君臨するという気持ちしかないのではないか。(それでまもなく告発するつもりか)はい。おじさん(故人の兄イ・レジン氏)が告発すると言っており、私もそれに同意した」

 

――結局、文前大統領側が「無礼だ」という立場を出したことが告発を早めたわけか

「そうですね。遺族を我慢できなくしたじゃないですか。監査院に『無礼だ』と言ったけれど、私たちに『無礼』と言ったのと同じだ。監査院の調査は、韓国の要求によって行われたが、これを無礼だと言ったのは、結局、わたしたち遺族に無礼だということだ」

――検察の捜査はどうなっているのか

「初めて開始された時、参考人の調査を受け、捜査途中に私に一度電話が来て『捜査がうまく進んでいる』と知らせてくれた」

故人の実兄、レジン氏は5日、民主党のイ・ジェミョン代表の仁川桂陽区(インチョン・ケヤング)地域事務所を抗議訪問し、面談を公式に要請した。6日には盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長(当時)と李仁栄(イ・インヨン)統一部長官(当時)、全賢姫(チョン・ヒョンヒ)現国民権益委員長らを職権乱用の疑いなどで告発する予定だ。

北の犠牲となった故イ・デジュン氏に対して、越北をしようとしていたと(たぶん嘘の)フレームを作って何事もないかのように事件を揉み消してきた文在寅政府。

そうしないと北との甘い関係を作ろうとしていた文にとっては非常に都合の悪いことになる。己の政治目的のためには国民の一人二人犠牲になっても何もしてやらない人間の皮をかぶった畜生のような存在。故人の名誉のためにもその家族のためにも、真相は必ず究明されなければならない。

それも尹錫悦が大統領になったから可能となったわけで、(民主党政権だったら完全に揉み消されて終わりだった)なんとしてでも真相を暴いてほしい。まずは家族のために、ではあるが国民みんなが事実、真相を知りたいと思っている。

(無料メルマガ『キムチパワー』2022年10月7日号)

image by: Shutterstock.com

キムチパワーこの著者の記事一覧

韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 キムチパワー 』

【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け