恋愛の出会いとしてマッチングアプリが定着してきたなかで、いま結婚相談所ビジネスが増えてきていると言います。そこで、今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、その内情を業界のレジェンドと噂される人物にインタビューしています。
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業界の暗黙知「結婚相談所」の赤裸々な内情を関係者が明かす
このコーナーは、探偵後藤が様々な業界人に取材を行い、取材の中からその業界ならではの「暗黙知」を拾っていこうというコーナーです。対談形式で掲載していきます！
※ 暗黙知とは…「経験や勘、直感などに基づく知識」「言葉にされていないものとして保持している知識」のことで、経験的知識とも呼ばれます。
初回ということで、探偵と真逆!?と思われる職業である「結婚相談所」の方を取材してきました！是非、ご一読ください。今回は、3編に分けて掲載します。
結婚相談所歴25年 三島さん（仮名）
三島氏プロフィール
結婚式場の支配人という仕事を10年行った後に自身で結婚相談所を開業し、今年結婚相談所として25年目を迎えた。
年間数十組のカップルをコンスタントに結婚に導いており、お見合いからオンラインまで時代に合わせた方法で人の縁を結んでいる。
■取材にあたり
今回、僕が三島さんを取材したいと思ったきっかけは「結婚相談所ビジネスが増えている理由」をお聞きしたかったことと、LGBTやVRなど、常識の変化やテクノロジーの発展がどのように「結婚相談所」に関わっていくのか？未来を聞いてみたいと思ったからです。業界のレジェンドと噂される彼女の考えをお聞きしました。
結婚相談所が行う恋活とは
後藤 「最近、結婚相談所の方が恋活イベントを主催していることが多いですよね。三島さんのところでもそういったイベントはやられているんですか？」
三島さん 「月に2回ほどやっています」
後藤 「恋愛したいという方の中から、結婚相談所に入りそうな見込み客を見つけるというイメージでしょうか？」
三島さん 「それもありますが、私が思うのは、とにかく今若い人は出会いがないので、恋愛をしてもらおうというのがきっかけでもあります。私はお仕事のほとんどをご紹介で頂いていますけれど、コロナになったときに、紹介される方の雰囲気が変わったなというのをすごく思って。これは、恋愛をみんなしなくちゃいけないと思いました」
後藤 「どのような雰囲気の方が多くなったんですか？」
三島さん 「男女ともに、とにかく安心できる人が欲しいとおっしゃるようになりましたね。優しい人。人を好きになるとかそういうことは二の次という感じです」
後藤 「コロナの影響で人に会えないという不安から、とにかくそばにいてくれる人を欲するようになったのでしょうね」
三島さん 「そうですね。あとは本当に、私は相談所をやり始めたころはエグゼクティブ限定の相談所をやっていたんですよ。年収1,000万円以上のね。だけど、最近はエグゼクティブと言えるような方が少ないという印象があって。現実的に会員さんが減ってしまったので、間口を広げるために恋活イベントをやるというのも正直あります（笑）」
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結婚相談所が増えている理由
後藤 「景気の影響でしょうか。あとは、最近僕の周りでも結婚相談所を開業しました！っていう人が増えている気がするのですが、それも原因にあるのではないでしょうか？業界が飽和状態にあるというか。その辺りはどう感じておられますか？何故少子化が叫ばれているのに、結婚相談所業界に足を踏み入れる方が多いのでしょうか？」
三島さん 「名前伏せてね（笑）。大手の協会○○が、もう色んな成功している方のところへ営業しているんです。結婚相談所を開業しませんか？儲かりますよって。彼らはビジネスとしてしっかりやってるから、加盟店を増やすのが目的。相談所が向いている、向いていないはあんまり考えていない気がするな」
後藤 「事業として面白そうということで、皆様始められるのでしょうね。たしかに、イメージですがあまり初期費用もかからなさそうです」
三島さん 「結局、そんな簡単に集客できないから3年経って会員が1人もいない結婚相談所が全体でも結構な割合いるのよね」
後藤 「たしかに、集客は難しそうですよね。合コンとかなら友達も紹介しやすいけど、結婚相談所を紹介するとなると、一気にハードルがあがるから。結婚相談所の方の人間的な魅力がないとなかなか…」
三島さん 「成婚すればいいっていうのがね。セミナーでも、駄目ならまた入ってもらえば？って言っていたのはびっくりしましたよ。結婚前に、相手の親にも会わせる必要は無いって言うし。だってあなた、自分の子供が結婚するのに向こうの相手に会わずに結婚決めるの??その場でちょっと怒っちゃった（笑）」
後藤 「ビジネスとしてはいいのかもしれませんが、当人にとっては一生に一度のことですからね。そこで怒れる三島さんのような方が、結婚相談所に向いているのかもしれませんね。では、結婚相談所が増えている理由というのは、世間の流れとかとは関係なく、力を持った大手が加盟店を大幅に増やしているからなのですね」
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どんな人が選ばれる？
後藤 「相談所の中では、やっぱり異性に選ばれやすい人、選ばれにくい人がいると思います。そぞれ男女で選ばれやすい特徴などはありますか??」
三島さん 「明確にありますよ！女の子だったら、選ばれやすいのは素直な子！これは間違いないですね。この前も、夏ぐらいに群馬県の25歳の女の子が入会して1か月でどんどん申し込みが来て、もうね、先週プロポーズ。入会で3か月。その子は本当に素直なの。本当にもう疑いも知らないみたいな感じで。お父さんが早く亡くなって、お母さんが美容師で、一人で私育ててくれて、お母さんに早く、私の幸せな顔を見せてあげたいし、子供も見せてあげたい。って言ってるの。もうね、すごく素晴らしい子。こういう子の成婚は早いですね」
後藤 「なるほど。でも、素直っていうのは会ってみないとわからないじゃないですか？他のプロフィールは関係なく、そういう方にお見合いの申し込みが来るのは何故ですか??」
三島さん 「私たち仲人が頑張るからです（笑）。結局、そういう素直な子は、ちょっとだけ仲人のサポートも手厚くなるのはありますね。なんとかしてあげたいって！もちろん会員さんの中での差別はしませんけどね。なんかその子はアプリで3人ぐらいと会って、すごい嫌な思いしたらしくて、もう男なんて嫌だってなっているところを、知人が私を紹介してくれたんです」
後藤 「アプリには相手の担保が薄いですもんね」
三島さん 「男性の選ばれるのは、やっぱり年収や職業が上位かなあ。もちろん、優しいというのも選ばれているとは思いますが。養っていく力というのは、現実的には重要ですよね」
来週に続きます！
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