ロシアが強制併合したクリミア半島。実は、別の国でも“第二のクリミア半島”になるかもしれないエリアが存在するそうです。今、「韓国が北朝鮮から狙われている場所がある」と今回の無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超える日本人著者が語っています。
北、戦術核の脅威
ロシアが昨年ウクライナを侵略するまで、長い間力を入れてきたことがある。ウクライナ内の親ロ勢力の拡大、内部葛藤助長などだ。侵攻8年前の2014年2月がピークだった。ロシアはウクライナが欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)を結ぼうとすると、親ロ勢力をけしかけて大規模な反対デモを行った。国が親露・親西方派に分かれ、FTA締結はサイン直前に中断された。国はめちゃくちゃになった。ヤヌコーヴィチ大統領は、あっけなく同月22日にロシアに政治的亡命をした。軍隊も何も国家が本来の機能を果たせなかった。
ロシアはチャンスを逃さなかった。ヤヌコーヴィチ亡命から5日後の27日、プーチン大統領は待っていたかのように軍隊を動かした。ロシアの戦車が轟音を立てて国境を越えた。ウクライナ軍はお手上げだった。親露勢力は両腕を広げてロシア軍を歓迎した。
ロシアはこのように国境地帯の戦略的要衝地であるクリミア半島を「強制併合」した。米国やEUなど国際社会の多くは糾弾声明を出し、経済制裁を加えた。しかし、「外交パンチ」ではクリミアを取り戻すことはできなかった。米国の立場では、他国の小さな土地のためにロシアと武力衝突を起こすのは負担だった。ただでさえ国力消耗論難でアフガニスタン・イラクなど中東から足を引いていたところだった。
このようにして8年が経ち、ロシアは米国が中国と争う国際情勢の隙を狙ってウクライナ本土を襲った。米国は現在、ウクライナを支援しているが、「パンダ(中国)」と「ヒグマ(ロシア)」という巨大な2頭の熊を同時に相手にするのに苦労している。
韓半島でクリミア半島のようなところはどこだろうか?軍事専門家たちは「白リョン島(ペンリョンド)」と口をそろえる。プーチン大統領がそうであったように、金正恩も虎視眈々と白リョン島、延坪島(ヨンピョンド)など西北島嶼を狙っているということだ。
地図を見ると、白リョン島は北朝鮮のあごの下を狙う首のようだ。白リョン島は北緯37.5度で、長林島など西海(ソヘ・黄海)のほとんどの北朝鮮の島よりも北に深く入っている。距離も北朝鮮内陸に近い。黄海道長山岬までは13.5kmしかない。金正恩にとって白リョン島は一日も早く片づけてしまいたい目に突き刺さった棘だ。
北朝鮮が28日、短距離弾道ミサイル(SRBM)、巡航ミサイル、600ミリ超大型放射砲など対南打撃用ミサイルに装着可能な戦術核弾頭「火山-31」を電撃公開した。北朝鮮の7回目の核実験は、この戦術核弾頭を実際に爆破することになるという観測が出ている。軍筋は「北朝鮮の戦術核ミサイルの実戦配備が迫っている」と述べた。
金正恩がソウルに向けて戦術核ミサイルを装填し、威嚇しながら白リョン島に軍隊を送り、強制占領を試みる可能性はないだろうか?金正恩は南南葛藤(韓国の中が二つに割れて争うこと)で韓国社会が動揺し、「竹倉歌」反日フレームで韓日安保協力に亀裂が生じるのを待っているだろう。その時を願って準備する人たちも韓国国内のどこかにいるだろう。政治家と軍、そして情報当局は白リョン島がクリミアのようにならないように備えなければならない。(朝鮮日報ベース)
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