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東京・新木場にある材木店は、なぜ社員食堂を一般に開放しているのか?

材木店の社員食堂に多くの人たちが行列を作るという不思議な光景が、東京・新木場で見られるそうです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、その秘密について紹介しています。

材木店が従業員の健康を気遣ったら、行列のできるサイドビジネスが誕生した!!

東京都江東区新木場。

トラックやフォークリフトが慌ただしく行き交う工場地帯に、創業100年を超える「榎戸材木店」があります。

ごく普通に事務所があり、工場があるこの会社に、昼時になると、なぜかたくさんの人が集まり、行列ができるのです。

材木を買うためでも、木工品を買うためでもありません。

食事をする、あるいはお弁当を買うために並ぶ人たちなのです。

ここは、榎戸材木店の社員食堂。一般の人でも利用できるようになっています。

では、なぜ社員食堂を一般に開放しているのでしょうか。

事の始まりは、従業員の中に体調の悪い人が多かったこと。

仕事で成果を上げるためには、体調管理が重要だと、栄養面を考えた賄いご飯を作り始めたのです。

従業員の中に、元イタリアンのシェフがおり、調理を担当することに。

また、栄養士の資格を持つ従業員もいるため、メニューづくりに抜擢。

当時の栄養指針であった、30品目5大栄養素をバランス良く取り入れた料理は、大好評となり、みんなが楽しみにするようになりました。

しばらくすると、社長のひと声が。「こんなに美味しいのなら、この辺りは食堂が少ないし、みんなに食べさせてあげれば良いのでは」。

ここから、食堂事業が始まったのです。

『うみねこ食堂』開店!

日替わりランチ1品のみの提供。

味噌汁以外は、カフェ飯のように、ワンプレートでお洒落に盛りつけられています。

メニュー例。

・大山どりのバジルクリームソース

・下田さん家の豚レバーの唐揚げ

・江戸菜長ネギワカメの中華風

・山菜と筍の煮物

・自家製浅漬

・下田さん家の豚の豚汁

・雑穀米

・下田さん家の豚100%ハンバーグ トマトデミグラスソース

・宮城県産やりいかと青梗菜のマリネ

・五目ひじき煮

・うみねこ特製スパニッシュオムレツ

・自家製浅漬

・下田さん家の豚の豚汁

・雑穀米

30品目5大栄養素が入っている上、見ためにもお洒落なので、女性にも大人気となっています。

また、近隣の人は肉体労働が多いので、身体を気遣う上でも、栄養を考えられた料理は有難いのです。

評判が評判を呼び、遠くからやって来る人も増えています。

お客さまが増えたので、お弁当も作るように。

さらには、フードトラックを導入し、別の場所でも販売するようになりました。

毎週金曜日は「カレーの日」、毎月最終木曜日は「海鮮丼の日」など、イベント的な営業も行うように。

飲食業として、確かな存在となりつつあります。

本業の材木店とはまったく異質な事業ですが、サイドビジネスとして、立派に成立しています。

サイドビジネスを行う場合、本業に近い線を狙う方が参入しやすいのですが、景気の良くない業界なら、別分野の方が成功の可能性は高くなるかもしれません。

いま、世の中で上昇気流となっているのは、レジャー関連と飲食業だと思われます。

参入するなら、こうした分野を狙うべきです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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