MAG2 NEWS MENU

大麻で捕まる中学生、市販薬でキメる小学生。なぜ子どもたちの薬物汚染が深刻化しているのか?

薬物汚染の低年齢化が進むわが国。殊に大麻の蔓延は深刻で、昨年摘発された中学生が過去最多を記録したことが大きく報じられています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、かような現状を自身の体験を交えつつ紹介。さらに子どもたちを守るべき役割を放棄していると言っても過言ではない文部科学省のSNS運用を厳しく批判しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:大麻蔓延か_中学生摘発過去最多を記録

中学生の摘発が過去最多を記録。子どもたちの間に蔓延する大麻

一部報じられたが、読者の皆様は、今現在、大麻が中学生にまで流れていることをご存じだろうか。

見え隠れする「同調圧力」

各社報道をまとめてみると、2024年に大麻で摘発された人数は、6,078人に上り、このうち10代以下は1,128人で2割を占める(警察庁統計)。

このうち学生は、大学生が最も多く229人、高校生等が94人などだが前年より微減。前年から5人増えたのが中学生で26人と過去最多となったというのだ。

なんだ、26人じゃ大したことないじゃないかと思われるかもしれないが、そもそも中学生が大麻で摘発されること自体が異常ではないかと思うのだ。

さらに、摘発された889人に「初めて大麻を使用した年齢」を尋ねたところ、「10代以下」と答えた割合が49.4%であったという。10代以下が2017年調査より2024年調査では13%増加したというのも若年化の傾向が顕著である。

世間では様々なニュースが流れている中、芸能人のどうでもよいスキャンダルの話題性に目を取られたりしがちだが、こうした報道はよく考えなければならない事態を報せてくれる貴重なものだと思うのだ。

しかし、ネットでは「医療用大麻もあるくらいだから安全」、「タバコよりも依存性が低いから大丈夫」、「海外では合法なところもあるから日本も合法になればいい」などの声も踊っている。なるほど、そうなんだねと思いつつ、今現在日本では違法であり犯罪である。

合法になる社会を実現したいのであれば、合法になるように議論を積み上げればいいだろう。

一方、大麻や覚せい剤の売買は、SNSで拡散、摘発された中学生の事例では、高校生から頼まれ売人や運び屋になるといったものがある。単純所持など自分で使う場合は「興味本位」が多くその背景には周りもやっていてという「同調圧力」も見え隠れする。

「大麻の拡散」に利用される匿名性の高いSNSアプリ

そして、使用されるSNSアプリは「テレグラム」や「シグナル」といった通信秘匿性の高いアプリだ。通信暗号化などで秘匿性が高いため、匿名性が極めて高いから捜査機関が調査に入っても解明するのが困難なのだ。

この手のアプリは普通にダウンロードでき「闇バイト」などで使われてさらに有名になった。

禁止すればいいじゃないかという声も上がるが、それこそ禁止している国もある事は事実だが、表現の自由や安全な通信という名目から、犯罪抑止のためにアプリ禁止するというのは国民の権利を侵害するとも考えられている上、仮に国が動いてテレグラム等のアプリを禁止しようとしても個人の権利とぶつかってしまうから、禁止にはできないのだ。

さらに、テレグラム等を使えないようにしたとしても、また次の後釜が誕生することになろう。つまり、こうしたところからも、できることは予防していくことしかないのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

初月無料で読む

惨憺たる有り様としか言いようのない文科省のSNS発信

今のところ予防しかできないというのも、なかなか苦しいものだが、教育に関する省庁である文部科学省では、小中高で実施されている薬物乱用に防止の取り組みの他、今後はSNSでも今年1月から発信を始めたというので、調べてみたが、惨憺たるものであった。

例えば、X(旧Twitter)において文部科学省のアカウントでは「大麻は有害です」と題して、2025年1月23日に投稿がされているが、表示は2025年4月23日現在で「7,625件」リツイートは10件、いいねは29件であった。

https://x.com/mextjapan/status/1882256855080296942

関連する同アカウントからは2件の投稿しかなく、これでは「やってます」というアリバイ程度にしか感じらえない。

こうした発信が昨日今日始めたユーザーよりも弱いのはいかがなものかと思えてしまうのは私だけだろうか。

国なんだから、TVCMで流しまくる、インフルエンサーにたくさん言わせるとかできるのではないか。

大麻の若年層に広がるという深刻な問題の他にも、オンラインカジノでの逮捕者や闇バイトでの逮捕者が次々に報じられており、これまで想定できなかった問題が山積みされているのだ。

何か1つでもいいから問題解消と期待できるような一手を国民に示してもらいたいところだが、バラマキすら批判される政権では、もはや期待する方が滑稽なのかもしれない。

小学生までもが市販薬のオーバードーズに走るという現状

オンラインカジノも一種の麻薬のようなものだと言います。パチンコやスロットマシンの電飾や光、玉などの動きも人の思考を奪うと言われていますね。

ギャンブルについても依存症がありますし、人の心理を巧みに利用するような手法も取られています。薬物も依存症があり、法律によって禁止されています。

そして、特に薬物等、OD(オーバードーズ)は社会からの孤立などから発生するとも言われています。勿論そうでないものありますが、私はそういう事態を目にすることが、多い現場にいます。

いじめ被害者の家に訪問する際に駅まで親御さんに迎えに来てもらったわずかの時間で、大量の市販薬を飲んでしまった子どもは、まだ小学生で、ネットからそういう情報を得たと言っていました。

飲んだ直後だったのでしょう、指を口に突っ込んで吐かせて病院に連れていき胃洗浄等の処置をしてもらうなどする、日常茶飯事には起きませんが、対処に慣れていると言われてしまう程度にはなってしまっています。

人探しで若者から話を聞いている際、タバコを吸っているのかと思いきやその匂いは大麻独特の匂いがしているなど、さほど驚かなくなっている自分がいます。私は犬かと言われるほど、鼻が敏感なので、匂いを記憶しやすいというのもありますが、繁華街などはくさくて歩くのが苦痛に感じるときもあります。

そのたびに、蔓延しているのだろうなと思うわけですが、水と安全はタダの国と言われた日本はもう今はないのかなと思うし、未だに日本は裕福なんだという人もいるけど、6人に1人のこどもは貧困、こども宅食などの社会貢献活動をしている活動団体は、何十万食もの食料品などを配っていて、まだまだ足りないのだと言います。

我々にできることは寄付やボランティアだけなのだろうか、根本的に変化を求める限界にきているのではないかと思います。

ではまた次回。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Amir Fakhry / Shutterstock.com

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」 』

【著者】 阿部泰尚 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 9日・23日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け