慢性的な人手不足が深刻化するなか、企業にとって「辞めない仕組み」と「人を育てる仕組み」は重要な課題となっています。今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、社員の定着率が高く、アルバイトからの社員化率も高い企業が実践している取り組み事例を紹介しています。
社員定着率・アルバイト社員率の高い企業の取り組み
加速する人手不足。
今ですら人手不足ですが、人口統計を見てもよりそれが深刻になるのはもう確定している未来です。
それにも関わらず変革しない。それは今後の展開だけでなく既存店の運営すら困難になります。
社員さんの定着率が高いというのは前提とし、アルバイトさんからの社員化率が高いか。中小企業においてはここも大きなポイントです。
採用数=表示回数×クリック率×応募率×面談率×採用率
こう見たら時に、クリック数=表示回数×クリック率
ここを高めるためにはコストは右肩上がり。そして応募率を高めるなら相場以上の商品力(賃金体系と時間)が必須。
どちらにせよコスト増は確定。その為、ここはここで頑張るとしつつ、バイトさんからの社員化率を高められるか。
ここが非常に大きなポイントになります。今日はその辺りを踏まえ、
- 定着率が高い
- アルバイトからの社員化率が高い
ここの指数が高いご支援先の取り組みを見ていこうと思います。
■やりがいとは?
- 自分が達成感を感じること
- チームが求めていること
- お客様が求めていること
この3つの円が重なる。これは凄く幸せな重なりになります。
ただ自分自身は客観視できない生き物。その為、ここのチューニングを行えるか。ここも大切な土台になってきます。
これを単なる精神論ではなく、どのように行動変容に落とし込めるか。その視点では下記事例が挙げられます。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■研修イメージ
自分らしい働きがい × 成果の生み出し方
i)やりがいの定義付け
上述の3つの円を前提に。独りよがりではなく、かつ指示待ちでもなく。いかに3つこ円を合わせられるかを共有。
ii)自己認識の強化
- 自分が達成感を感じるのはいつか?
- それは何故そう感じられたのか?
これにより自分の感情の言語化と共有。
iii)顧客ニーズの把握
- お客様が自店に求められる事は?
- お客様のお困り事解決は?
- そもそもの店舗コンセプトは?
細かい部分ではなく大きな部分で、お客様ニーズを改めて顕在化。
iv)チームニーズの場合
- iii)を達成する為に何をしたいのか
- 役職別での役割は何なのか
- どのようなチーム作りをしたいのか
ふわっとしがちなチーム作りに関し、明確な言語化まで落とし込む
v)具体的行動策の決定
上記にて3つの円各々の話は完了。ここから重なる部分を探し、「まずはこれを徹底的にやってみる」を決めます。
1つ-3つ辺りで具体的行動策が決まれば御の字。後はこのやりきりを店長・エリアマネージャーで追っていくイメージです。
仕事は単なる報酬や結果よりも、やりがいの有り無しで努力できるか決まります。
ただふわっとしがちなやりがい。これを上記で可視化するイメージです。
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■イベントの徹底度
- 飲み会
- 社員勉強会
- 社員研修
など手段自体は以前からと変わらず。
ただ「年々参加率が悪い」と嘆く企業、「参加率で困った事ない」という企業。
ここが完全に二極化している印象があります。では何故二極化してしまうのか。
主に2つあるなと感じています。
i)やりきる胆力
先日あるご支援先が社員旅行にて沖縄に行かれました。
参加率は120%。それも毎年。(従業員さんの家族も参加OKのため)
- 渡航費全額持ち
- 宿泊費全額持ち&五つ星ホテル確保
- 宴会全額持ち
- 全店舗3日休み
「そりゃ行くよ!」と思うかもしれませんが、それをやる経営としての胆力を持てるか?です。私は計算すると身震いをしてしまいます。笑
目的としては、
- 日々の感謝を伝える
- 上質なサービスを体験してもらう
この2つであり、それをやりきる逆算で上記をされた訳です。
- 店舗休業だと気になって休みたくない
- 費用積立なら強制感出て楽しめない
この辺りはあるあるですし、これで実際参加率は下がってますよね。
別のご支援先では参加率20%なところも。ただ目的が上記ならば参加率100%は重要指標。やりきる胆力は重要です。
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ii)目的と行動の合致
何のためにそれをするのか?です。
上記社員旅行であれば繰り返しですが、
- 日々の感謝を伝える
- 上質なサービスを体験してもらう
これのための行動になる訳です。
例えば他にも飲み会。年々減少していますが、逆に凄く楽しまれる企業が多いのも事実。
何故か?ここも目的です。
目的がないと、
- 上司の自慢話
- いじられる社員さんがずっといじられる
- 詰めやすい若手がずっと詰められる
みたいなアルコールの嫌なところがでがち。
しかし、
- 他店舗の人とコミュニケーションを取りたい
- 他店舗のエース格の人の話を聞きたい
この辺りが起点になるのであれば、席次をどう設定し、何分タームで場所変更し、ファシリテーションできる人をどう配置するか。
この辺りまで見えてきます。
手段自体は別に昔と変わりません。ただそれが「外発的動機付け」なのか、「内発的動機付け」なのか。
これで満足度が大きく変わるのが今です。その為、その内発的動機付けに合致できるよう目的と実行策をしっかり連動させたいところ。
これもなく、
「最近は飲み会が逆に人気みたい!」
「最近はまた旅行が人気みたい!」
みたいな上辺をなぞって結果ずっこけるのもあるあるですね。ーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年7月7日号より一部抜粋、続きはメルマガご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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