ゲノム食品、年内にも食卓へ=安全審査、表示義務なく-消費者に懸念も

2019.10.07
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by 時事通信

通常のマダイ(写真上)と遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集」技術を使って開発された肉厚なマダイ(写真下)(近畿大・京都大提供)

通常のマダイ(写真上)と遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集」技術を使って開発された肉厚なマダイ(写真下)(近畿大・京都大提供)

 遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集」技術を使った食品について、開発者が国へ届け出る制度が今月から始まり、早ければ年内にもゲノム編集食品が流通し、食卓に並ぶ見通しとなった。一部については安全性審査が義務付けられておらず、国への届け出や食品への表示も販売側の任意とされており、安全性について懸念する声も上がっている。
 ゲノム編集には、DNAを狙った位置で切断して特定の遺伝子の機能を止める手法や、狙った部分に新たな遺伝子を組み入れる方法がある。品種改良を短期間で効率よく進められ、栄養価の高いトマトや収穫量の多いイネなどが開発されている。
 肉厚のマダイを開発した京都大の木下政人助教は「通常の餌の量で身の多いマダイを取れるようになればコスト削減につながり、価格低下など消費者のメリットになる」と強調する。
 厚労省は遺伝子組み換え食品については、食品衛生法に基づいた安全性審査を義務付けている。1日から始まった新たな制度では、ゲノム編集食品のうち遺伝子を切断したものについては、開発者に任意の届け出を求めるにとどめ、審査を義務化しなかった。同省は「通常の品種改良と同程度のリスクと考えられるため」と理由を説明する。遺伝子を新たに入れた食品は審査を義務付けた。
 一方、消費者庁は、海外事業者との連絡が難しいことや、科学的な判別が不可能なことを理由に、遺伝子を切断した食品には表示を義務付けないと決定。ただ消費者から要望が寄せられているため、事業者側に積極的な表示を呼び掛けている。
 食品問題に取り組む市民団体「たねと食とひと@フォーラム」の吉森弘子共同代表は、「人為的ミスで違う遺伝子を切断してしまうなど、想定外のことが起きる可能性はあり、制度は見切り発車だと感じる」と批判。「農作物の交雑などが起こるリスクもあり、安全性審査や食品表示は義務化すべきだ」と訴えている。(2019/10/07-07:07)

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