台風被害「人ごとじゃない」=地元高校生がボランティア-福島・本宮

2019.10.16
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by 時事通信

浸水した家から水をかき出すボランティアの高校生=16日午後、福島県本宮市

浸水した家から水をかき出すボランティアの高校生=16日午後、福島県本宮市

 台風19号による阿武隈川の氾濫で、甚大な被害を受けた福島県本宮市。特に浸水が長引いた舘町地区で16日、県立本宮高校の生徒約80人がボランティアとして、被災した民家の後片付けを手伝った。生徒らは「人ごとじゃない」「少しでも力に」と、泥をかぶった家具や畳の運び出しなどに懸命に当たった。
 2年の安部圭亮さん(17)は、自宅の1階が完全に浸水した渡辺教子さん(60)宅で活動。自身も同地区に自宅があり、庭まで水が迫ったというが、「近くで困っている人がいたら、助けるのは当たり前」と、泥のかき出しに汗を流した。


浸水被害を受けた住宅で、浸水でぬれた家具を運び出す高校生ら=16日午前、福島県本宮市

浸水被害を受けた住宅で、浸水でぬれた家具を運び出す高校生ら=16日午前、福島県本宮市

 渡辺さんは共に暮らす息子が仕事で県内を離れていたため、支援を申し込んだ。「浸水はショックだったが、若い人がすぐに来てくれて安心した」と、頼もしそうに背中を見つめた。
 同校は台風の被害は免れたものの、通学圏の電車が不通になるなどして、15、16両日が休校となった。そこで、学校がボランティアを呼び掛け、集まることができた生徒と教職員で被災した21軒を両日で回った。


台風19号による浸水被害を受けた住宅で後片付けを手伝う高校生ら=16日午前、福島県本宮市

台風19号による浸水被害を受けた住宅で後片付けを手伝う高校生ら=16日午前、福島県本宮市

 3年の長谷川麗香さん(17)は同級生が浸水被害に遭い、「人ごとではないと思い参加した」。高橋朋悠さん(17)も「力になりたい」と、同地区から約20キロ先の同県郡山市の自宅から自転車で駆け付けた。2日とも参加し、「片付けはとても1人ではできない。少しは役に立てたかな」と充実した表情だった。
 ボランティアの受け入れを担う本宮市社会福祉協議会によると、舘町地区など市内で被害の大きい地域は、14日ごろにようやく水が引いたため、今後も力仕事で人手が必要という。(2019/10/16-20:17)

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