ユニゾ買収、混迷深まる=TOBめぐり思惑交錯

2019.10.18
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by 時事通信

 ホテル事業などを展開するをめぐる買収が混迷を深めている。米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループは17日、ユニゾへのTOB(株式公開買い付け)の期限を予定していた同日から、11月1日に延長すると発表。一方、米投資会社ブラックストーンもTOBの意向を表明しており、買収の行方は思惑が交錯し、見通せない状況だ。
 ユニゾ買収の発端は、旅行大手(HIS)が7月に始めたTOBだ。ユニゾは反発し、ソフトバンクグループ系のフォートレスと組み撤退に追い込んだ。フォートレスは敵対的買収を阻止する「ホワイトナイト」(白馬の騎士)となるはずだったがユニゾは9月、「従業員の雇用確保が十分でない」などの理由で、フォートレスのTOB賛同を撤回した。
 ユニゾの株価は4940円(10月17日終値)。フォートレスは1株4000円でTOBを実施しているため成立は見込めないが、期限を延長しユニゾとの協議を進めるとみられる。
 一方、ブラックストーンは水面下でユニゾに買収提案を拒否されていたが、15日にTOBの意向を表明。同意を前提に1株5000円で実施するとし、同意が得られない場合でも「あらゆる選択肢を検討する」と、敵対的TOBの実施も視野に入れている。
 ユニゾのTOB提案への姿勢に対し、ある関係者は「ユニゾは『後出しじゃんけん』で買収から逃げている」と批判する。米ファンドで筆頭株主のエリオット・マネジメントも17日、ユニゾの対応について「少数株主の利益を軽視するもので遺憾だ」とする意見を公表。「提案の検討を強く要請する」としており、ユニゾの対応が焦点となっている。(2019/10/18-07:55)

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