国民投票法、今国会成立厳しく 採決日程平行線―自民に先送り論・衆院憲法審

2019.11.14
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by 時事通信

衆院憲法審査会で発言する自民党の新藤義孝氏(中央左)=14日午前、国会内

衆院憲法審査会で発言する自民党の新藤義孝氏(中央左)=14日午前、国会内

 衆院憲法審査会は14日、幹事会を開き、憲法改正国民投票の利便性を高める国民投票法改正案の扱いを協議した。与党側は来週の質疑と採決を求めたが、主要野党は国民投票に関するCM規制の議論を優先するよう求め、平行線をたどった。参院審議を考慮すると、12月9日の今国会会期末までの成立は厳しさを増しており、自民党にも先送り論が出てきた。
 幹事会後、自民党の筆頭幹事は記者団に「短い時間で確認の質疑をして採決するだけのことだ」と速やかな同改正案処理を主張。一方、立憲民主党の筆頭幹事は「われわれはCM規制に関心を持っている。それが採決の前提だ」と記者団に語った。
 野党側は、国際芸術祭への文化庁補助金不交付は憲法の「表現の自由」に関わると問題視しており、これも採決前に議題とするよう求めている。
 憲法審の定例日は衆院が木曜日、参院が水曜日で、開催できるのは現在の会期末まで衆参3回ずつ。自民党幹部は「参院で2回必要」と話しており、これを前提にすれば今国会成立は来週中の衆院通過が絶対条件となる。
 だが、14日の審査会自由討議で立憲の氏は「国民の中に憲法を変えていこうという機運があるとは思えない」とけん制。首相主導の改憲に反対する主要野党を軟化させることは容易ではない。国民投票法改正案の採決を強行すれば野党側が猛反発し、その後に自民党が目指す党改憲案提示が難しくなるのは確実だ。(2019/11/14-18:42)

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