「長かった」「極刑を」 容疑者逮捕、よぎる思い―京アニ事件の被害者遺族ら

2020.05.27
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by 時事通信

犠牲になった石田奈央美さんの仏壇に手を合わせる両親=27日午前、京都市伏見区

犠牲になった石田奈央美さんの仏壇に手を合わせる両親=27日午前、京都市伏見区

 作品中の人物や背景の色を決める担当だった石田奈央美さん=当時(49)=の父親(84)と母親(79)は、青葉真司容疑者(42)の逮捕を受け、京都市内の自宅で代表取材に応じた。
 午前7時20分ごろ、京都府警からの電話で逮捕を知ったという。「やっと逮捕されたよ」。母親は遺影に報告し、「10カ月は長かった。次から次へと(娘を)思い出す。頭では亡くなったことは分かっているんだけど」と涙ぐんだ。
 「少しは浮かばれたのでは」。父親は、理不尽に命を奪われた娘に思いをはせ、「極刑しかない」と青葉容疑者に怒りをぶつけた。毎日、お茶とご飯を供えるという仏壇に手を合わせ、「もうじき一周忌という時に捕まった。区切りが付いた」と話した。


青葉真司容疑者の逮捕を受け、心境を語る津田幸恵さんの父、伸一さん=27日午前、兵庫県加古川市(代表撮影)

青葉真司容疑者の逮捕を受け、心境を語る津田幸恵さんの父、伸一さん=27日午前、兵庫県加古川市(代表撮影)

 彩色のプロだった津田幸恵さん=当時(41)=の父伸一さん(70)は、兵庫県内の自宅で、代表取材に「何も感じない。司法に任せる」と淡々とした様子で話した。
 「(青葉容疑者への)恨みや憎しみは湧いてこない。悲しみだけで十分過ぎるほど」と語る伸一さん。考えてしまうのは幸恵さんが亡くなった瞬間のことだといい、「怖かったやろう。苦しかったやろう」と目頭を押さえた。「どうであれ、幸恵が受けたことは変わらない」と放火の動機には関心を示さなかった。
 犠牲となった鹿児島県出身の女性=当時(26)=の両親は、弁護士を通じ、「家族にとって事件は終わっていません。まだ、話せることはありません。そっとしておいてほしいです」とのコメントを出した。(2020/05/27-15:34)

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