WTO提訴、手続き再開へ 韓国、「解決意志示さず」と日本批判

2020.06.02
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by 時事通信

1年3カ月ぶりに会談した韓国の文在寅大統領(左)と安倍晋三首相=2019年12月、中国四川省成都市(EPA時事)

1年3カ月ぶりに会談した韓国の文在寅大統領(左)と安倍晋三首相=2019年12月、中国四川省成都市(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国産業通商資源省は2日、日本政府による半導体材料3品目の輸出管理強化をめぐり、昨年11月に停止していた世界貿易機関(WTO)への提訴後の紛争解決手続きを再開する方針を示した。韓国は今後、日本の措置が不当であることを国際社会に再び訴える見通しで、日韓関係の改善はさらに遠のきそうだ。
 同省の羅承植貿易投資室長が記者会見で発表した。韓国はこれまで、再三にわたり日本側に措置撤廃を要求してきた。日本との政策対話に応じたほか、法改正や「貿易安保政策官」新設など体制強化を通じ、日本側の懸念は「全て解消された」と主張している。その上で一方的に5月末までを期限と区切り、日本が解決案を示すよう求めていた。
 しかし、羅氏は会見で、日本側からの連絡が「期待する返答ではなかった」と説明。日本が「問題解決の意志を示さず、解決のための議論が進展していない」と述べ、提訴手続き停止の条件としていた「正常な対話」が行われていないと判断し、再開を決定したという。
 これに対し、梶山弘志経済産業相は2日の記者会見で「しっかりと対話はできている」と述べ、実効性のある貿易管理体制構築に向け、対話を継続する従来の立場を繰り返した。また、韓国側の対応改善の見極めには一定の時間が必要だと慎重な姿勢を示した。(2020/06/02-18:58)

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