スズキの鈴木修会長が退任 40年以上経営指揮、相談役に―「体制一新、後進に道」

2021.02.24
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by 時事通信


自身の退任についてオンラインで記者会見するスズキの鈴木修会長=24日午後

自身の退任についてオンラインで記者会見するスズキの鈴木修会長=24日午後

 は24日、鈴木修会長(91)が退任すると発表した。6月の株主総会後、相談役に就く。40年以上にわたり社長、会長として同社の経営を指揮し、売上高3兆円の世界的な自動車メーカーに育て上げた。日本を代表するカリスマ経営者は、車両の電動化による「脱炭素」や自動運転など新しい潮流への対応に道筋を付けたことを機に、経営の一線から退く。
 同日、オンラインで記者会見した鈴木氏は、経営環境が激変する中で成長を持続するため「役員体制を一新して後進に道を譲る」と退任の理由を説明した。
 鈴木氏は1980年代に、他社に先駆けてインドへの進出を決断。乗用車市場で販売シェア首位の座を長く守り、成長の原動力となった。日本では国内トップ級の軽自動車メーカーとして事業を拡大。2019年8月にはと資本提携し、自社単独では難しい環境技術や車両とITの融合といった先端分野への対応に布石を打った。
 鈴木氏は中大法学部を卒業後、銀行勤務を経て58年に鈴木自動車工業(現)へ入社した。78年に社長となり、2000年にいったん会長へ退いた後、08年に社長に復帰した。15年6月から会長に専念している。
 鈴木会長の退任後は、長男の俊宏社長(61)が経営のかじ取りを担う。会長は電動化と品質向上を柱に「2030年、50年の基礎をつくってほしい」と後を引き継ぐ経営陣に期待を寄せた。(2021/02/24-20:48)

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