次官ら3人を減給 農水省、6人処分発表―接待不祥事で行政信頼低下も

2021.02.25
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by 時事通信


事務次官らの処分を受け、記者会見で陳謝する野上浩太郎農林水産相=25日午後、東京・霞が関の農水省

事務次官らの処分を受け、記者会見で陳謝する野上浩太郎農林水産相=25日午後、東京・霞が関の農水省

 農林水産省は25日、吉川貴盛元農水相への贈賄罪で在宅起訴された鶏卵生産会社「アキタフーズ」(広島県福山市)前代表の接待を受けたとして、枝元真徹事務次官ら6人の幹部職員を処分した。枝元氏ら3人を減給10分の1(1カ月)とし、2人を戒告、残る1人を訓告とした。総務省に続く接待不祥事による処分となり、行政への信頼低下は避けられない。
 国家公務員倫理審査会の承認を得て処分を発表した。野上浩太郎農水相は閣僚給与1カ月分を自主返納する。
 処分後に記者会見した野上氏は「今回の事態は農林水産行政に対する国民の信頼を大きく損なうものであることを職員全員が真摯(しんし)に受け止めないといけない。改めて国民の皆さまに深くおわび申し上げる」と陳謝した。また「本事案を受けて人事異動を行うことは考えていない」として、更迭などは行わない方針を示した。
 接待には元農水相も同席していた。農水省によると、鶏卵行政を担当する生産局の職員を招いた会食は、2018年10月と19年9月の計2回。18年には当時生産局長の枝元氏と当時の部長、課長ら計4人が、19年には現在の水田正和局長、渡辺毅畜産部長と当時の課長ら計5人が参加した。2人の課長が両方の会合に出席した。
 飲食代は1人当たり1回約2万2000~2万3000円で、最大2回計4万5000円超の飲食費を、アキタ側が全て負担していた。枝元氏は元農水相に誘われたとした上で、「吉川大臣(当時)が支払ったと思っていた」と釈明したが、同省は「その場で確認しなかった過失がある」と結論付けた。(2021/02/25-21:18)

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