性暴力「嫌と言って逃げて」 デートDVも、被害防止で教材―文科省など
子どもを性暴力被害から守ろうと、文部科学省などは16日までに、幼稚園や保育園、小中高校などで活用できる教材を作成した。水着で隠れる部分を見られたり、触られたりして嫌な気持ちになったときは、「嫌だと言って逃げよう」などと教えている。
恋人同士の間で起きる暴力(デートDV)やインターネット交流サイト(SNS)を通じた被害なども例示。同省によると、発達段階に応じた性被害防止の教材を作るのは初めてという。
名称は「生命の安全教育」。幼児や小学校低学年向けには、水着で隠れる部分のほか口や顔は「自分だけの大切なところ」と教えた上で、他の人に見せたり触らせたりしないよう指導。触られて嫌な気持ちになったときは、安心できる大人に相談すべきだとした。
中高生向けには、性暴力を「望まない性的な行為」と定義。体に触るだけでなく、言葉によるケースもあり、被害は性別にかかわらないと指摘した。交際相手にスマートフォンの履歴をチェックされたり、SNSの返信をすぐに返さず「遅い」と言われたりした場合など、どう対応すべきか考えさせる項目も設けた。
教材に関する指導の手引では、性暴力被害を打ち明ける児童生徒がいた場合、専門機関と連携して対応するよう求めたほか、保護者には事前に授業の狙いを伝えるよう要請した。
道徳や保健体育の授業などでの活用を想定しており、今年度中に教材を使ったモデル授業を複数の学校で行う。文科省は「ぜひ各学校で活用してほしい」としている。(2021/04/16-13:31)